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令和を変える!関西の発想力 廃材利用の雑貨・家具がSNSで人気!「田村商店」SDGsの取り組みが評価、大阪の町工場から関西万博出展へ

zakzak by夕刊フジ / 2024年4月26日 15時30分

カフェ風の工場から廃材活用で人気をつかんだ田村専務夫妻(夕刊フジ)

深刻化する中小企業の人手不足。特に3K(きつい・汚い・危険)のイメージが拭えない町工場には、なかなか人材が集まりません。

そんな中、「鉄の町」と言われる大阪市の九条地域にユニークな町工場が現れました。金属製品を製造する「田村商店」。なんと、工場の一角をオシャレなカフェ風の建物にリノベーションし、次々とイベントを企画しては、地域の子供たちや若者を集めているのです。

「とにかく、若い世代に注目してもらいたかったのです」と同社専務取締役の田村友紀晃さん。というのも、九条地域は古くから多くの町工場が集まる金属加工の集積地ですが、近年その数が減り続け、今では40年前の4分の1まで縮小。しかも大半が「仕事はあるのに後継者がいない」といったむなしい理由で廃業に至っています。

「この状況を乗り越えるには、町工場で働きたいと思う若者を増やすしかありません」と田村専務。さっそく妻の久美さんとタッグを組んで、工場の廃材を再活用するアップサイクルイベントを始めました。廃材を使ったのは今の時代、積極的にSDGsに取り組むべきと思ったからです。また、これまで捨てるしかなかった町工場の廃材は珍しく、若い世代の関心を引くかもしれません。

「町工場で遊ぼう、と呼び掛けると子供たちが集まってくれて、暗かった工場が一気に明るくなりました。涙が出るほどうれしかったです」と久美さん。彼女は自ら廃材を使ってオシャレな雑貨や家具を製作し、リノベーションしたガラス張りの工場内に展示し始めました。すると地域の若者が足を止めて、買ってくれるようになったのです。

その様子を見て久美さんは、自作製品の写真を次々とインスタグラムに投稿。フォロワーは3000を超え、大企業や自治体からもSDGsの取り組みに協力してほしいとオファーが舞い込むようになりました。

そしてついに地元の信金と財務省近畿財務局のサポートで、来年の「大阪・関西万博」への出展が決定。町工場のアイデアが世界に披露されることになったのです。

田村専務は「数年前まで当社は金属部品の生産工場だったのに、今では家具をデザインから製作し、大企業のSDGsショールームの展示も任されるようになりました」と手応えを感じています。成功の秘訣は「夫婦力」。久美さんには頭が上がらないそうです。愛の力は最強ですね。=隔週木曜日掲載

■殿村美樹(とのむら・みき) 株式会社TMオフィス代表取締役。同志社大学大学院ビジネス研究科「地域ブランド戦略」教員。内閣府 地域活性化伝道師。「うどん県」や「ひこにゃん」など、地方PRを3000件以上成功させた〝ブーム仕掛け人〟。

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