[JFAプレミアカップMOM]清水ジュニアユースFW青島太一(3年)_決定機阻止に加え、延長V弾!日本一の立て役者に
ゲキサカ / 2016年5月6日 7時55分
[5.5 JFAプレミアカップ2016決勝 清水ジュニアユース 2-1 鹿島ジュニアユース J-GREEN堺]
5試合で4得点を奪い、得点王となっただけでなく、この日の決勝戦では相手の決定機を阻止し、延長戦で決勝点もマーク。清水エスパルスジュニアユースにとって18年ぶりとなる日本一を引き寄せたのが、FW青島太一(3年)だ。
今大会は自身初の全国大会。「初戦は緊張したけど、何とか良い形でゴールが奪えて、そこから自分の良い形に持っていけた」と振り返ったように、初戦の鳥栖U-15戦では、後半25分に勝利を決定的にする2点目をマーク。後半早々に退場者を出した1次ラウンド第3戦のシーガル広島JY戦では、後半15分に決勝点を叩き込んだ。準決勝の札幌U-15戦でも開始3分に先制点をマークし、4発快勝の導火線に。しかし、迎えた決勝戦では、「自分自身としては良い出来ではなかった」と振り返ったように前後半通じて、シュートわずか1本に終わるなど見せ場は少なかった。
最初の活躍となったのは、後半終了間際に迎えたピンチの場面。CKから許した鹿島ジュニアユースFW玉木麗音のヘディングシュートはGK石井飛雄馬の手が届かず、ゴールネットに吸い込まれそうになったが、「体を全部、伸ばしてはじき返した」と必死に頭に当てて、ゴールを許さず。あわや失点という絶体絶命のピンチを救って延長戦に持ち込むと、「太もも、ふくらはぎともに結構きていた」という延長後半9分に今度は攻撃で見せ場を作る。右サイドをMF佐藤由尚、FW川本梨誉と繋いだボールがゴール前に入ると、ニアでFW山崎稜介がゴールを狙った。このシュートはGKに阻まれてしまったが、「感覚的にあそこにボールが入ってくると思っていた」という青島が素早くこぼれ球に反応し、そのシュートがゴール左隅に。攻守両面で決定的な活躍をした青島は「最後まで諦めないで、ボールを追いかけたり、自分ができることを全部やってきたことがチームの結果に繋がった」と笑顔を見せた。
「面白い感覚の持ち主で、いろいろ考えながらプレーするのが好きなタイプ。今後が楽しみ。あとは最後の所で足が伸びたり、無理ができる選手になればもっと面白くなってくる」。岩下潤監督がそう期待を寄せる存在だが、ここまでは体調不良に悩まされてきた。原因は極度の貧血。中学2年の中頃から自身の異変に気付いていたものの、「もともと体力が無かったから走れば何とかなると思っていた」。だが、今年春にまったく動けなくなり、病院で診てもらうと貧血が判明。そこからは、母親が鉄分を増やした食事メニューを用意するなど改善に努めた。青島は「今は身体がまったく違うし、食事は本当に大事だと気付いた。ほうれん草とか小松菜とか色々、アレンジしてくれているので、毎日食べていても飽きない」と感謝を口にする。
コンディションさえ整えば、きっちり結果を残せるだけのポテンシャルを今大会ではきっちり証明した。自身としても、チームとしても最高の結末を迎えたが、決して満足はしていない。「全国でも点が獲れたので、自信になった。これからの夏と冬の全国ではもっと点を獲って、また優勝したい。全員にトップチームに上がっていく位の気持ちで、これから練習していきたい」と更なる活躍を誓った。
(取材・文 森田将義)
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