仙台大MF山田は実力証明するも「物足りないし、不甲斐ない」。J再挑戦へ向けてよりインパクトを
ゲキサカ / 2016年12月11日 8時45分
[12.10 全日本大学選手権(インカレ)2回戦 仙台大 1-2 阪南大 味フィ西]
来年は再びJの舞台へ駆け上がっていくための1年となる。そのステップとなるインカレは、実力を示したと同時に“物足りない”大会となった。仙台大の10番を背負うMF山田満夫(3年=帯広北高)は13年、高卒Jリーガーとして松本入り。1年で松本を離れて14年からプレーする仙台大では大黒柱として活躍し、今年は仙台から特別指定された注目プレーヤーだ。
その山田はこの日、3バックの中央でV候補・阪南大の猛攻をポジショニング良く食い止め、武器であるパス、フィードで攻撃の起点となった。チームが逆転された後は本来のポジションである中盤に上がって攻撃を組み立てたが、同点ゴールを生み出すことはできず。無念の敗退となった。
「もっと自分たちはできると思いますし、いつも高いレベルでやっている関東リーグと関西リーグと違う部分が出てしまっている。夏もあと一歩のところで負けてしまったり、自分たちの意識から変えていかないと。いつも練習試合でベガルタ(仙台)さんとか、グルージャ(盛岡)とか、(ブラウブリッツ)秋田とかとやる時はいいサッカーができたりするんですけど、大学生とやると(甘く見て)できなくなってしまう。練習から足りないと思うので、来年はもっともっとやっていかないといけない」
今年はハマれば強いチームだと感じていた。東北リーグ1部では全勝優勝。この日も関西王者の阪南大相手に力を発揮した。対戦相手の阪南大・須佐徹太郎監督も認めるほど力を証明したが、紙一重のところで差をつけられて敗退。仙台大は関東や関西の強豪のように、普段から高いレベルで切磋琢磨できる環境ではない。だからこそ、全国の経験をチームメートたちでしっかりと共有することが必要。「強かったんですけど、あと一歩ゴールのところだったり、相手がどういうチームとか、その戦い方とか、辛い状況でどんなプレーしたら良いかとか経験した選手は分かると思うけれど、出ていない選手は分からないと思うんで、伝えていかないといけない。みんなで悔しい思いばかりしていますし、来年こそは何か爪痕残していきたいと思います」と力を込めた。
個人としてもやるべきことはピッチで表現した。だが、納得のできる結果ではない。もっと自身を表現したかったし、やらなければならなかったと感じている。「個人としては何も結果も残せていないし、今年はもっと勝ち進んで行かない大会だった。物足りないし、不甲斐ない。インパクト残せていないんで。自分の武器であるパスとか、ボールを持ったりしたり前で攻撃した時に自分は活きると思うんで、もっとボールを触りたいですね。(DFでも)後ろでボール持って組み立ての起点とか、カウンターの起点とかで完結できればインパクト残せると思う。課題は判断のところだったり、最後の精度のところ、自分のパスで決めたり、もっと多く増やしていきたいですね」。自身が全国の戦いでより、インパクトを残すためにやらなければならないことが次々と口をついた。
「卒業したらプロで入るだけじゃなくて、試合に出たいです」。そのためには昨年、今年と実証している“良い選手”からさらにもう1ランク上の選手にならなければならない。「自分のできる部分、できない部分があると思う。そこで自分が持ち味、結果を出せるかどうかなんで、良い準備をしてやれるようにしたいです」。プロの厳しさ、全国の厳しさを知る10番。来年、大学サッカー界でインパクトを残して、「Jで活躍できる選手」に近づく。
(取材・文 吉田太郎)●第65回全日本大学選手権(インカレ)特集
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