[プレミアリーグWEST]“サンフレシフト”駆使して守った阪南大高、プレミア初陣で王者・広島ユースから勝ち点1奪取
ゲキサカ / 2017年4月10日 18時3分
後半12分、広島は右サイドでのパス交換から川井がアーリークロス。これを阪南大高GKが十分にクリアすることができず。こぼれ球に反応した川村が豪快な左足シュートをゴールへ突き刺して1-0とした。
追う展開となった阪南大高はパワフルなドリブルからゴールを目指していたFW福羅光希(3年)がわずかに可能性を示していたが、世代を代表するGK大迫を脅かすことはできない。それでも阪南大高は30分、MF中村成龍(2年)が右中間から放った右足FKがゴール左を捉える。これは大迫のファインセーブによって阻止されたが、阪南大高ベンチは31分にFW瀧川海斗(3年)とFW和田育(2年)を同時投入し、さらに39分にもFWの島田龍之介(2年)を送り出して「行け」のメッセージ。専守防衛から、前へチャンレンジする姿勢が増えだすと、我慢強く守っていたことが最終盤に活きる。45分、阪南大高は中村の右CKからニアサイドへ飛び込んだCB吉田岳晴(3年)が劇的な同点ヘッド。広島はすぐに2点目を奪い返そうとするが、ボールを放り込む一方でセカンドボールを拾えない悪循環などが出て勝ち点3を逃した。
今シーズンは各チームが立ち向かって来ることが予想される中、王者・広島は悔しいドロー発進。今後も厳しい試合が続くだろうが、それでも、沢田監督は「難しいから楽しいんじゃないのと言ってありますからね。簡単なことを楽しむよりも難しい方がいい。だからこそやりがいがあっていいんじゃない、と」と歓迎した。そして追いつかれた後の戦い方や、セットプレーでの失点など、真剣勝負の場で出た課題について「こういう部分が出たことで(各プレーの)重みが増す」と語り、選手たちの成長に繋げる考えだ。
一方、阪南大高は“プライドを捨てて”75分間守り倒し、セットプレーからゴールを破って引き分け。強敵相手のドローにホッとしたのか、試合後、応援に駆けつけた同級生たちに手を振って応える選手たちもいたようだが、それを濱田監督は厳しく指摘した。「75分間プライド捨てたのに何浮かれているんや、と怒りました」。吉田伸も「勝った訳じゃないんで。僕達も全然やりたいことできていないですし、終始相手のペースで何とか追いついただけなんで。全然僕達自身力は無いですし、もっともっとやらないとダメだということで締めてもらったんだと思います」。昨年までのプリンスリーグとは一段階レベルの違うプレミアリーグの戦い。昇格組の阪南大高にとって厳しいシーズンになることは理解している。それでも、目標の「残留」を果たすため、今後も強敵たちに必死に食らいついて、勝ち点をもぎ取る。
(取材・文 吉田太郎)
●2017プレミアリーグWEST
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