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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:10番が象徴する“今年のチーム”(実践学園高)

ゲキサカ / 2017年4月27日 21時15分

 今シーズンのキャプテンマークもやはりセンターバックの尾前祥奈が巻いている。関東大会予選の初戦後に彼と直接話をする機会に恵まれたが、その短時間の会話からも明らかに実践学園の“10番”という雰囲気を感じた。聞けば深川第四中時代にもサッカー部の部長を務めており、実際に昨年から学年の責任者という形でチームをまとめる役割を担っていたこともあって、キャプテンの重責について問われた彼は「やりがいの部分はあると思います。チームが1つになれた時は嬉しいですね」と笑顔で話してくれた。ただ、彼のユニフォームの背中に記されていた数字は“2”。「10番は付けていないんだね」と何気なく尋ねると、こういう答えが返ってきた。「今回は自分たちで番号を決めていいと言われたんですけど、正直に言うと『ポジションに見合った番号の方がいいかな』というのが自分の中ではあったんです。今10番を付けているのは武田っていうヤツなんですけど、T1リーグの成立戦で初めて10番を付けた武田が、自分たちの代になってからまだ公式戦で点を取っていなかったのに、その試合で2点取ったんです。その出来事があって、『そのまま10番を付けた方が彼も自信が付くんじゃないのかな』と。『そこは自分が付ける必要はないんじゃないのかな』って思ったんですよね」。

 その時の状況を武田本人が補足する。「Tリーグでは9番を最初に付けていたんですけど、『関東予選でも当たるだろう』ということで、番号を変えて臨んだ成立戦の時に10番を付けさせてもらって、そこで2ゴール決めることができたんです。そこから尾前くんには『オマエが10番を付けろ』って言ってもらったので、自信を持って10番らしく、責任感を持って臨もうかなと思っています」。前述してきた通り、既に5試合で5ゴールを量産するなど、“10番”を背負ってから武田の活躍は目覚ましい。それでも準々決勝後に「10番はしっくりきている?」という質問をぶつけた所、「いや、まだ正直…」と答えたストライカーは「やっぱり10番って上手い選手が付けると思うんですけど、自分はそういうのはできないので、今日の得点みたいに泥臭い感じの、ああいう形が自分らしいプレーだと思うので、それをまた準決勝でも披露できたらいいと思います」と謙虚に続けた。

 そんな武田を内田ヘッドコーチはこう評価していた。「彼はああやって汗をかいて、最後に苦しい所に飛び込んでいけるタイプの選手なんですけど、しばらくそれが影を潜めていた時期があって、そのときに彼もちょっと悩んでいたんです。ただ、1つゴールを取れた所で吹っ切れて自分の良さを思い出してくれたのかなと。ウチらしい選手なのかなと思いますね」。T1リーグの成立学園戦まで尾前が背負っていた“10番”は、ゴールという結果と共に武田へと受け継がれた。例年の“10番”とは違うタイプかもしれないが、真面目で実直な印象の武田が自分なりの“10番”像を築き始めていることも見逃せない大事なポイントだ。

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