想定外のスタート、難しい試合も、“大砲”宮代が決勝点!川崎F U-18がグループ1位で決勝Tへ
ゲキサカ / 2017年7月26日 19時25分
[7.26 日本クラブユース選手権(U-18)GL第3節 川崎F U-18 1-0 山形ユース 前橋フットボールセンター]
第41回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会は26日、グループリーグの3日目を迎えた。前橋フットボールセンターで行われたグループBの川崎フロンターレU-18(関東2)とモンテディオ山形ユース(東北1)の一戦は川崎Fが1-0と競り勝ち、首位でグループステージ突破を決めた。一方、敗れた山形も裏カードの結果に救われての2位通過で16強入りを決めることとなった。
試合は想定外のアクシデントからのスタートだった。と言っても、ピッチ内ではなくピッチ外での想定外。大雨のために9時に予定されていたキックオフ時間が大幅に遅延することとなり、12時の開始となったのだ。「ちょっとビックリした」と川崎FのDFデューク・カルロスが苦笑いを浮かべたように、両チームともに試合に至る流れが大いに乱された中でのキックオフだった。
すでに2勝している川崎Fにとっては、意外に難しい面もあるゲームだった。「こちらは引き分けでもいいけれど、相手は勝たなければいけないからパワーをかけてくるときが出てくるかもしれない。『難しくなるぞ』という話は事前にしていた」と今野章監督は言う。徹底していたのは「(ゴールにつながる)抜け道を探しながら」ボールをしっかり動かして相手を押し込んでいくこと。この狙いは「山形が思っていたより(重心が)後ろだった」(今野監督)こともあって機能していたが、あとは「前半動かしながら1本欲しいところだった」(同監督)。
そして今年の川崎Fには、その「1本」を決められる選手がいた。前半32分、“フロンターレらしい”小気味良いボールの動かし方の終着点としてMF村田聖樹からのパスを受けたのは、U-17日本代表FW宮代大聖。ゴール前で猛然と詰めてきたDFを軽やかに外すと、右足シュートを流し込むように決めて、ゴールネットを揺らしたみせた。
「いいパスが来て相手と1対1だったので最初は左足でそのまま打とうとしたんですけれど、思ったよりDFとの距離が近かったので、かわしてからファーに打った。(弾道は)大体イメージどおり」(宮代)
ゴール前での群を抜く冷静さは、今季の成長ぶりを象徴するようなもの。「点に対してのこだわりが前より強くなっている」と語り、実際にトレーニングでも「去年よりゴール前の練習やシュートの練習は増えている。シュートのパターンも増やすようにしてきた」という積み上げが生み出す自信が、ゴール前で「とっさに冷静になれる」原動力ともなっており、昨季までとの“違い”が生まれている。
後半は指揮官が事前に予想していたように山形がギアを上げる中での攻防となったが、川崎Fはこの1点のリードを最後まで保って逃げ切り。宮代の決勝点で川崎Fが山形に競り勝ち、決勝トーナメント進出を決めた。
「段々とグループステージは常に突破できるような感じになってきた。選手たちとも『(準決勝が行われる)西が丘に戻って去年のリベンジを果たそう』と言ってきている」(今野監督)。
昨年はFC東京U-18に屈辱的大敗を喫する形での閉幕となったが、チームとしての地力が年々上がってきている手ごたえもある。U-17日本代表のエースストライカーという“大砲”も擁する今年の川崎Fは、昨年の借りを返してさらにその先をも見据えられる。そんなチームに仕上がっている。
(取材・文 川端暁彦)●第41回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会特集ページ
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