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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:32歳の“Jリーガー5年生”(長崎・前田悠佑)

ゲキサカ / 2017年10月10日 15時5分

V・ファーレン長崎の前田悠佑

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

 面白いことを言う人だと思った。「僕はJリーガーになったのが遅かったので、まだまだJリーガーとしては“若い”んですよ。だから、ここからもっともっと成長できると思っていますし、それをポジティブに捉えながら、日々の練習なり試合なりをやっているのかなとは思っているんです」。前田悠佑。32歳。職業は、“Jリーガー5年生”。3度目となるJ1昇格争いの渦中に身を置きながら、全力で、それでいて飄々と、さらなるステージを追い求める気概は、少しの揺るぎもない。

 10代の後半を過ごしたのは福岡県立筑前高校。「『どこ出身?』って言われて、説明するんですけど誰も知らないんですよ。『ヤフオクドームの隣にあるよ』と言えば、県内の人はみんなだいたいわかってくれるんですけど(笑)」と自ら語る県立高校のサッカー部で3年間を送る。最後の選手権予選はベスト8まで進出するも、東福岡高に0-7で大敗を喫し、高校サッカーに終止符は打たれた。

 20代を迎えたのは西南学院大学。サッカー部を強くしたいという監督の熱意に影響を受けたことは確かだが、「たまたま受けて、たまたま受かった」ことも隠さない。2部リーグ所属ながら、3年の夏には総理大臣杯に九州代表として出場する。ただ、初戦で平山相太(現仙台)や藤本淳吾(現G大阪)を擁した筑波大学に0-4で敗戦。「全然歯が立たずに、ボコボコにされました」と前田。これが学生時代に唯一経験した全国の舞台。2017年シーズンのJリーグ選手名鑑を熟読しても、“筑前高校”と“西南学院大学”の文字は、前田のプロフィール欄を除いて目にすることはない。

 大学4年時には、いくつかのJクラブに練習参加したものの、芳しい返事をもらうことは叶わず、九州リーグに在籍していたホンダロックSCに加入。社業とサッカーを両立させる日々がスタートした。「朝8時から夕方5時まで仕事をして、6時から練習が始まって、8時くらいに終わるんです。そこから家に帰って、また朝から仕事をすると。それの繰り返し」の毎日。当時の所属は“安全衛生課”。主たる業務は工場の安全と衛生の管理であり、パソコンの前に座ることもあれば、「『そこは危険だよ』とか『ここを直してください』とか言いながら工場内を見回ることもあった」そうだ。前述のプロフィール欄。資格の項目には“第一種衛生管理者”がどことなく誇らしげに記載されている。

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