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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:悲願(立教大学体育会サッカー部)

ゲキサカ / 2017年11月25日 19時26分

 キャプテン同様、あるいはそれ以上にチームの輪をより強固なものにした立役者は主務の江野だという。彼を中心にして、部室やクラブハウスの使い方など、守るべきルールをホワイトボードへ書き出すことで、その徹底が図られていく。さらに、いくつも分かれている各カテゴリーの試合結果も一覧でホワイドボードに表示。「あまり他のカテゴリーの結果とかも知らずに、それぞれがバラバラでやっている部分もあったので、そこの部分の透明化は良かったと思います」とは同じ4年生の小椋健史(浦和西高)。関根も「みんなの見えない所で試合を組んだりとか、事務的なことをやってくれて、本当に一番頑張ってくれたのは江野だと僕自身は思っています」と主張する。

「揃ってメチャメチャマジメで、絵に描いたようなキャプテンと主務」と小椋が笑いながら表現した関根と江野に引っ張られる形で、少しずつ部の雰囲気も変わっていく。その変化を認めるのも倉又監督だ。「やっぱり大学生なので、何でもかんでもこっちが言ってその通り、という訳じゃなくて、選手が『関東に上がるために何をやらなきゃいけないのか』というのを自ら考えてやってくれたのが今年のチームで、そういう意味では成長したのかなと思うね」。関根も「意識の高い選手が多くて、付いてきてくれる選手も多かった」と言及した4年生を中心に、150人もの部員のピッチ外に対する意識は改善されつつあった。

 ピッチ内では監督就任3年目の倉又が刺激を加えていく。一昨年、昨年と後期に入って成績が下降する傾向にあったため、5勝4敗で前期を終えた後、Aチームの人数を44人まで増やして競争意識を煽る。「44人ということは1つのポジションに4人はいる訳だから、サボったらすぐに落とされるし、下から上げられちゃうという気持ちもあって、その競争意識が良かったかな」という指揮官は、「自分が来て3年目として、本当に勝負に出なくてはいけないということで、今年は戦い方も『1年間変えないでやるから』と。それもAチーム、Bチーム、Cチーム関係なく、『こういうことをやろう』というのがある程度あった」とも続ける。結局、チームは後期に入って何と無敗を記録。「本当にサボるやつもいないし、ピッチの中で自分のできることを一生懸命やってきてくれた」(倉又監督)集団は東京都リーグ1部で2位に入り、今年も参入戦へと駒を進めることになる。

 グループリーグ初戦は0-2で落としたため、「負けたら決定戦に進むことができないという、凄い緊張感の中の」(関根)2戦目は5-1で快勝。3戦目は直前に行われていた他チームの結果により、引き分け以上が昇格決定戦進出の条件となる。2点を先制し、2点を返されたゲームは、再び立教大が勝ち越すも、後半終了間際に失点を喫し、たちまち同点に。関根の脳裏に1年前の悪夢がよぎる。それでも何とかそのままのスコアでゲームをクローズし、PK戦には敗れたものの、2位でグループリーグを通過。「この年代で、この150人で上がるという気持ちで、この1年間やってきた」(倉又監督)チームは昇格決定戦への切符を勝ち獲り、とうとう“41年ぶり”に王手を懸けた。

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