『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』 :感謝(FC東京U-18・品田愛斗)
ゲキサカ / 2017年12月14日 12時10分
東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」
コーナーキックを直接ゴールに叩き込んだ、その瞬間。いつもはクールな男が吠えた。「今日の試合に懸ける想いというのが、自分以外の選手も含めて強かったので、自分も本当に得点は嬉しかったですし、みんなが駆け寄ってきた時もとにかく嬉しさが伝わってきました」。青森山田高と対峙した、プレミアリーグEASTの覇権を巡る大一番で1ゴール1アシスト。最後の最後でようやくメインキャストに躍り出た品田愛斗(FC東京U-18)は今、数々の感謝の念を抱きつつ、再びサッカーを楽しむ日々を過ごしている。
小学生の頃からFC東京のスクールに通い、U-15深川在籍時は10番を背負って日本一も経験。将来を嘱望されながらU-18への昇格も果たし、1年の4月から同学年でもただ1人だけプレミアリーグでの出場機会を得るなど、順調にキャリアを築いていた品田だったが、少しずつ自らの思い描いていた理想と現実にギャップが生じ始める。
「『もっとやれる』と思ったし、『やらなきゃいけない』と思っていた中で、だんだん他の1年生にもチャンスが出ていくのが本当に悔しかった」と当時を振り返ったように、夏のクラブユース選手権ではスタメン起用を勝ち獲ったものの、リーグ戦では小林真鷹や吉田和拓がベンチに入り出し、今年のキャプテンを務める岡庭愁人は先発出場を果たしていく中で、品田も短い時間の出番は得るものの、定位置を掴むまでには至らない。
迎えた2年時も主戦場はBチームで参戦するT1リーグ。プレミアリーグでは途中出場が続く。加えて1学年下の平川怜が台頭してきたことにより、ますますレギュラーの座は遠のいていく。日本一に輝いたクラブユース選手権でも、役回りは終盤に登場するクローザー。「去年に関しては平川選手と久保(建英)選手が来た中で、全然自分にチャンスが来ないことがあって、落ち込んでいたことはありました」と正直な気持ちを明かした品田。ただ、「自分も『もっとやれるな』とは感じたんですけど、フィジカル的な部分では本当に課題が多かった」と自己分析はハッキリしていた。
佐藤一樹監督も2年生までの品田について、こう言及する。「絶対的な体の強さが今のサッカーでは求められているので、本当に天才肌でインテリジェンス溢れるパサーみたいな選手が評価されづらくなっている部分があると思うんです。僕自身もやっぱり守備の部分で相手の攻撃を制限するとか、奪ってしまうとか、そういうことができる愛斗であって欲しいと思ってきた中で、昨年までは先輩に比べたらそこの物足りなさはありましたね」。
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