[MOM2406]明秀日立DF深見凜(3年)_守護神に託されたボール、主将のひと蹴りが歴史つくる
ゲキサカ / 2018年1月3日 23時7分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 大阪桐蔭高1-1(PK3-5)明秀日立高 駒沢]
ゴールネットが揺れるのを確認すると、一目散にバックスタンドに陣取る応援団のもとへダッシュした。1-1のまま突入したPK戦。先攻の明秀日立高(茨城)は決めれば勝ちという状況で5人目のキッカー、DF深見凜主将(3年)がポイントに向かった。
すると、GK藤田陽輔(3年)が歩み寄り、ボールを手渡しながら声をかける。「外しても同点だから。落ち着いて蹴れば、お前なら大丈夫」。守護神の言葉に「落ち着いて蹴ることができた」という深見は冷静にGKの逆を突き、ゴール左に流し込んだ。
明秀日立のキッカー5人は全員がゴール左に決めたが、深見によると、「たまたま」だったという。「試合が終わって、『みんな左だったね』って」。結果的に2人目以降は全員がGKの逆を突く形となり、危なげなく5人全員が成功した。
4バックでスタートした明秀日立は後半開始から3バックに変更したが、後半10分からは再び4バックに。深見も右サイドバック、右ウイングバック、右サイドバックとそのたびにポジションを変えた。昨年12月31日の1回戦から4日間で3試合目。「昨日の試合も後半はずっと守備をして体を張っていた。2連戦で苦しかったけど、持ち味は相手より走ること」と、最後まで体を張り続けた。
サイドを何度も上下動するだけでなく、試合終盤には自陣PA内で粘り強く対応し、体を投げ出すシュートブロックも見せた。「最後はきつくて、いつ足が止まるか分からなかった。でも、負けたくないという気持ちが最後のシュートブロックにもつながったと思う」。気迫のディフェンスが勝利を呼び込み、初の準々決勝進出という歴史をつくった。
5日の準々決勝では、同じく初の8強入りとなった上田西(長野)と対戦する。さらなる歴史を刻めるか。深見は「ここまで来たら日本一を目指して、次の試合もしっかり勝ち切って埼玉スタジアムに行きたい」と、茨城県勢としても08年度の鹿島学園以来、9大会ぶりとなるベスト4進出を誓った。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 西山紘平)
●【特設】高校選手権2017
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