1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:STAY GOLD(青森山田高・小松慧)

ゲキサカ / 2018年4月14日 9時40分

 前半5分。相手DFのクリアはゴール方向に向かい、GKが懸命に掻き出したボールに小松が反応する。夢中で蹴り込んだボールが揺らしたゴールネット。本人は「たまたま取れたという感じなので、たまたまじゃなくて『狙って取れた』と言えるようになりたいです」と口にしたものの、大事な一戦で手にした明確な結果。さらに後半3分(40分ハーフ)には右サイドを泥臭く抜け出し、バスケス・バイロンのゴールもアシスト。2点に絡む活躍でチームの優勝に貢献してみせる。

 試合後の表彰式。ベストイレブンとして青森山田からは三國ケネディエブスと檀崎竜孔が発表された直後。大会MVPとして小松の名前が呼ばれると、チームメイトにもどよめきと笑顔がこぼれる。視野の広い黒田剛監督も「一番驚いていたのはスタンドのFC東京の子たちだったんじゃない?」とこれまた笑顔。「MVPと言われた時には嬉しかったですけど、まさか自分が獲れるとは思っていなかったので、チームのみんなに感謝したいです」と語りつつ、早くも開幕戦で古巣と激突するプレミアへの意気込みを問われると、小松の表情が引き締まる。「自分は中学校の時にFC東京にいたので、絶対負けられない相手と最初からできるということで、自分のモチベーションも高いですし、チームとしても優勝に向けて、初戦から良いスタートを切れればなと思います」。“ラストチャンス”をモノにしたことで、奥原との約束がにわかに現実味を帯びていく。

 4月8日。プレミアEAST開幕戦。青森山田のスタメンには、13番を背負う小松が名を連ねていた。「試合前に連絡はしましたね。偵察も含めて。でも、“アイツら”に隠すものはないという感じで、いくつかチームのことを聞いても、普通に言ってくるので(笑)、そういう所も『ちょっとスゲーな』と思いました」。2年以上も待望した“再会”の時。「自分も“アイツら”と別れてから、山田での生活で少しは技術も付けてきたし、体も作ってきたし、準備は万端という状況」でキックオフの笛を聞く。

 立ち上がりから球際も含め、優勢にゲームを進めていた青森山田。前半43分に佐々木銀士のゴールで先制点を奪うと、前半終了間際の45+2分に13番へ千載一遇の決定機が訪れる。檀崎のFKに三國が競り勝ち、こぼれたボールは小松の目の前へ。しかし、押し込むだけに見えたヘディングは枠の左へ外れてしまい、これには「水中メガネしてサッカーやってるんじゃないか、みたいな」と黒田監督も独特の表現で苦笑する。「ゴールの位置と、自分の位置と、キーパーの位置が感覚でしか把握できていなくて、たぶん客観的に見たら『何でそれを外すんだろう』って思うはずですけど、やっぱりそういう所が見えてないので、自分に足りない所かなって思います」と肩を落とした小松。後半3分には果敢なバイシクルを披露し、24分にもシュートを放ったものの、得点を奪うことは叶わず、31分に自身の番号が掲げられたピッチサイドの交替ボードに気付く。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください