川崎Fで「内容の濃い3年間」過ごし仙台へ…DF板倉滉「一度違う場所で勝負したかった」
ゲキサカ / 2018年5月8日 12時0分
内容が濃かった
川崎Fでの3年間
――川崎Fでトップチームに昇格してからの3年間は思ったように出場機会をつかめませんでした。
「正直、焦りしかなかった。試合に出て結果を残せなければクビを切られる世界だと分かっていたし、それがプロの世界だと思っていたので本当に焦りもあった。ただ、プロ1年目は公式戦で1試合も出れなかったけど、チームにはすごくうまい選手が多かった。もちろん、負けたくない気持ちは強かったけど、とにかく僕はその人たちのプレーを見ながら良いところをドンドン盗んでいこうと思って練習していた。それと、2年目にプロデビューしたときは突然チャンスが来たという感じでしたが、『いつでも試合に出れる』という気持ちで準備していたので自信を持ってプレーできた。だから、たとえ試合に出れなくても練習から真剣に取り組まなければ絶対にダメだと思っていました」
――ただ、人のプレーを見て盗んだとしても、それを試す場がなかった。
「だから、葛藤がすごくありました。自分の中で『絶対にできる』という自信があるときに試合に出してもらえなかったり、ベンチ外のときは本当に悔しかったし、何で出してくれないんだという気持ちもあった。けど、使ってもらえたら絶対にできると思っていても、そこで文句を言うのはおかしい。決めるのは監督やコーチなので、自分には何かが足りなかったんだろうし、練習からアピールしていくしかないと考えて取り組んでいました」
――プロ3年目はシーズン序盤にベンチ入りを続け、特にACLでは多くの出場機会をつかみました。
「2年目の最後の方は天皇杯やチャンピオンシップで使ってもらい、『やれる』という手応えもあったけど、2年目までは勢いでできていたことが、3年目にチャンスをもらったとき、うまくいかなくなった。それまでは、『試合に出たら思い切ってやるぞ』『ガツガツやるぞ』という感じだったけど、いろいろと考えすぎたのかもしれません。見えていたところが見えなくなり、ボールが思ったところに止まらなかったり、判断が遅くなったりして、自分でも『マズイ』と思っていても全然立て直せなかった」
――難しい時期を過ごす中、プロ3年目の5月には、U-20日本代表の一員としてU-20W杯に出場します。
「U-20W杯前にケガをしてしまいましたが、出られた試合では体もキレていたし、手応えも悪い感じはしなかった。でも、U-20代表からフロンターレに帰ってきて、試合に出れないとき、自分でも気付いていたけど練習に身が入っていなくて、試合に出らないことに対してイライラもしたし、正直、人のせいにしていた部分もあったと思う。分かってはいるけど、立て直せない時期が続いて、そういうときは監督もしっかり見ていて、ずっとベンチ外が続いた。ただ、先輩方や仲間の支えや声掛け、自分自身が『変わるしかない』という気持ちになれたので、ルヴァン杯やリーグ戦の終盤ではチャンスをもらえたと思う。今になって思うのは、フロンターレの3年間でいろいろ考えさせられたし、自分の弱さ、メンタル的な弱さも出て、プレー面でも納得いかない時期を経験した。でも、内容の濃い3年間で、いろいろなことを経験できたのは、これからのサッカー人生の糧になると信じています」
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