攻めて、攻めて、チャンス作り続けた國學院久我山、延長終了間際の決勝点で修徳との激闘制す!:東京
ゲキサカ / 2018年6月11日 20時11分
攻める國學院久我山は「よりゴールの可能性を広げるため」(清水監督)にMF山本献(2年)や粕川を投入して「攻め倒し」に来ていた。だが、後半32分にスコアを動かしたのは、気迫のプレーで相手のミスを誘発していた修徳の方。後方からのFKのこぼれ球を拾った石崎が鮮やかな左足ミドルをゴールに突き刺す。終了8分前に生まれた“ゴラッソ”。応援席に向けて走り出した10番をタッチライン際まで飛び出した控え部員たちが迎え入れ、喜びを爆発させた。
先制した修徳はカウンターから相手陣内までボールを運び、コーナー付近でキープして時計の針を進めようとする。だが、諦めない國學院久我山は繰り返し仕掛けると39分、山本の左FKから加納が起死回生の同点ゴール。執念の一撃で追いついた國學院久我山はさらに左SB竹浪良威主将(3年)のドリブル突破から山本がポスト直撃の左足シュートを放つなど逆転を目指す。
1-1で突入した延長戦で國學院久我山は戸坂や山本がシュートを連発。決定的なシュートがわずかにポストを外れたり、修徳の身体を張った守りに阻まれるなど、なかなか2点目を奪うことができない。それでも清水監督が「反省は色々とありますが、自分たちのサッカーを遺憾なく発揮してくれた」と評したように、“久我山らしく”繰り返し仕掛け、チャンスを作り続けた國學院久我山は延長後半10分、山本のシュートのこぼれを粕川が右足でゴール中央に決めて決勝点。見応え十分の好勝負を制した。
國學院久我山はモットーである「美しく勝つ」サッカーと勝負強さを発揮した15年度の全国高校選手権で準優勝。だが、その後は全国舞台から遠ざかっている。その2年間で学んだのは「勝つための絶対はない」ということ。もちろん結果も求めながら、より自分たちの優位を出せる部分であるボールを保持すること、その中で判断しながら攻めてチャンス、ゴールの数を増やすことを貫いている印象だ。
この日は決定的なシュートがわずかに外れるシーンの連続。それでも、チャンスを作り続けて2得点をもぎ取ったことを清水監督も評価していた。新チームのスタート当初はボールを前につける部分などで苦しんでいたようだが、竹浪が「今年は技術がないと言われていて、練習で対面パス一個一個から大事にしてきた。ビルドアップにこだわってきた」というように、取り組んできたことが徐々に実を結び、多彩な攻撃のできるチームになりつつある。
加えて、今大会は、昨年4敗した実践学園高を1-0で下し、この日は修徳に逆転勝ちと勝負強さも発揮している。「一昨年、去年と先制点を取られてひっくり返すことができなくて、そういうエネルギーが足りなかった。今年はベンチとかスタンドとかみんなが力を与えてくれていると思います」と竹浪。内容が確実に向上し、「結果が出れば自信がついてもっと良くなる」(清水監督)という國學院久我山が“久我山らしさ”と、タフに勝ち切る部分を表現し、2枠あるインターハイ東京代表の切符を勝ち取る。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2018
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