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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:再会(流通経済大柏高・猪瀬康介)

ゲキサカ / 2018年7月23日 21時52分

 とりわけ記憶に残っているのは、ホームに鹿島ユースを迎えた1年時のプレミアEAST最終節。ジュニアとジュニアユースでチームメイトだった前田泰良と佐々木翔悟が、既にゲームに出ていたのに対し、自分はピッチの外から声援を送ることしかできなかった。「『アイツら、活躍してるな』と思いながら、その時は普通の態度でいたんですけど、やっぱり内心は『うわあ、鹿島には負けたくねえ』って思いましたね」と当時を振り返る猪瀬。ところがその年末に、流経大柏はプレミアEASTから降格。翌シーズンはプリンスリーグ関東へと主戦場を移すことになる。

「まずは鹿島と同じリーグにいなくてはという想い」で選んだ進学先。もちろん目標はそれだけではなかったものの、「やっぱり対戦するのは無理なのかな」と諦めに近い想いが脳裏をよぎったこともあった。それでも、2017年シーズンの流経大柏はプリンスリーグ関東で2位に入り、広島で開催されるプレミア参入戦へと駒を進める。初戦の大阪桐蔭高戦はハイレベルな攻防の末に、勝敗の行方はPK戦へ。ベンチメンバーとして試合を見守っていた猪瀬は、「PK戦になった時はもうドキドキで、『うわあ、大丈夫かなあ』と思ったんですけど、ハルトさん(薄井覇斗、現流通経済大)がPKを止めてくれた時は本当に嬉しかったです」と熱戦を思い出す。

 そのPK戦で大阪桐蔭を退けた流経大柏は、2回戦の徳島ユース戦にも勝利し、1年でのプレミア復帰が決定。「1個上の先輩が上げてくれたので、『もうここでやるだけだ』という想いになりました」と話す猪瀬を筆頭に、今のチームの選手たちによる、最高の舞台を用意してくれた“1個上の先輩”たちへの感謝は尽きない。

 2018年4月。プレミアEASTの開幕戦。清水ユースと対峙する流経大柏のメンバー表を見ると、その一番上に猪瀬の名前があった。ゲームも1-0で完封勝利。以降も開幕から5戦負けなしと好結果が続く中で、猪瀬は「スケジュールが出て、もう一番最初に“7月15日”という所を見て、『よっしゃ!ここで鹿島だ!』と気合を入れてました」と笑ったように、古巣と対戦する“Xデー”を見据えながら日々を過ごしていた。

 しかし、好調だったはずのチームに激震が走る。2年連続での日本一を目指して挑んでいた総体予選の準決勝で、習志野高にまさかの敗退。前回王者は千葉県で姿を消すことになってしまった。「『習志野には勝てるだろう』みたいな心の余裕もあったと思います。去年は日本一になっているので、どこかで『簡単に全国に行けて、決勝に行って、優勝できるだろう』という気持ちも少なからずあったと思いますし、自分もそれは少しありました」と振り返る猪瀬。夏の全国連覇という目標が消え、チーム自体の雰囲気も悪くなっていったそうだ。

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