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関東1部4校撃破の下剋上…元Jリーガー鈴木修人監督の下で輝く明治学院大の熱い夏

ゲキサカ / 2018年7月31日 23時3分

 記録的と称されるほどの猛暑の中、本大会は9日間で5試合というハードスケジュールで行われた。準決勝と決勝は“中0日”の連戦。それだけに、どのチームを選手のコンディション維持が課題となったが、明学大は体力的な部分でも、関東1部校に引けをとらなかった。もちろん他大学同様、ターンオーバーで選手を休ませるなどしたが、最後まで「足をつる選手が出なかったことは収穫」と鈴木監督。序盤の動きが硬かった3回戦の明大戦では、「ボールを失ってもいいから、前からいってプレスをかけろ」と発破をかけた。「個の力では勝てない。チーム力で勝つしかない。そのためにもハングリー精神を出してほしかった」。

 参考になったのは、ロシアW杯だ。「特にアルゼンチン対アイスランド戦は参考になった」と鈴木監督。小国アイスランドが、サッカー王国・アルゼンチンに互角以上にわたりあった試合は、下位カテゴリーから今大会に挑むチームを奮い立たせた。また「ロシアW杯では得点の半分以上がセットプレーから生まれた」(同監督)として、セットプレーを強化。明大戦の得点はPK、FK、CKからとすべてセットプレー絡み。準決勝での怪我のため、決勝はベンチ外となったが、9番・黒石川瑛(3年=実践学園高)、10番・行武大希(3年=桐蔭学園高)に加え、21番・鳥谷部嵩也(4年=桐蔭学園高)といった強烈な突破力をもつ攻撃陣を抱えているだけに、セットプレーの機会も多い。安易にファウルで止めれば、たちまちセットプレーで明学大の餌食になった。

 チームを率いる鈴木監督は市立船橋高から早稲田大を経て、鹿島アントラーズ入り。湘南ベルマーレや栃木SC、ギラヴァンツ北九州など、約7年間のプロ生活を経て、2015年に明学大にコーチとして招聘された。監督には昨年から就任している。

 コーチ就任当時の明学大は部員が80~90人程度。鈴木監督は「サークルみたいなチームで、雨が降れば練習が中止になるのか聞かれた」と笑う。その後、部員は200人まで増えて戦えるチームにはなったが、いわゆるスポーツ推薦制度はない。人工芝のグラウンドは他クラブと共用で、ふだんはその半面を使って練習をする。それでも人工芝のグラウンドを使えるのはまだマシなほうで、「申し訳ないが、下のほうのチームは土のグラウンドで練習をしている状況」だという。

 環境的には決して恵まれていない中で、つかみとった今大会の快進撃。鈴木監督はその理由を「誰よりも勝負にこだわったから」だという。「大学は育成年代の最後のチーム。結果にこだわらなければいけない」と鈴木監督。選手たちには「強いチームが勝つのではない。勝つチームが強い」と言い続け、選手もそれに応えた。

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