[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:敗れざる者たちの明日(山口U-18・中山元気監督、福岡U-18・藤崎義孝監督、大宮ユース・村田耀)
ゲキサカ / 2018年8月10日 8時30分
東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」
勝者が勝者でいられるのは束の間であるように、敗者が敗者であるのもまた束の間のことだ。“束の間の敗者”は、次の“束の間の勝者”となるため、あるいは勝者以上に前を向き、力強い一歩を踏み出していく。
7月23日。日本クラブユース選手権U-18大会グループステージ2日目。中国予選を勝ち抜き、初めて全国の舞台へ乗り込んできたレノファ山口U-18は大会2戦目に挑む。「1試合目はちょっと硬さがありましたけど、2試合目は硬さも取れて、最後まで判断して自分たちらしく攻められたのも良かったですね」と話したのは監督の中山元気。全国デビューとなったC大阪U-18戦の0-1という惜敗を経て、この三菱養和SCユース戦で選手たちは躍動する。
後半9分に先制を許したものの、キャプテンの糸井岬を中心に時折カウンターから攻撃の芽を見せれば、ディフェンス陣もそれ以上の失点は許さない。ただ、1点のビハインドは重くのしかかり、終盤は追い付く気概を発しながら、そのまま0-1で試合終了のホイッスルを聞く。大会優勝経験を有する強豪に2試合続けて食い下がりながらも、共に最少得点差での敗戦。「やはりここで勝ち点を取る所の差があるとは思いますね。全体的にチャンスがない訳ではないけど、何かしらの違いがあるのかなと感じます」と中山。最終戦を待たずに、チームはグループステージでの敗退が決定した。
試合後。グラウンド脇の駐車場に佇んでいた中山に声を掛けると、誠実な言葉でゲームを振り返っていく。「日頃できないような相手とシビアな真剣勝負の中で、自分たちの甘さや勝負の分かれ目を、選手たちには感じてもらえたかなと。最後の攻守の詰めの所。そこは勉強させてもらったかなと思います」。新たな手応えと新たな課題が交差する。
もともと山口の出身。地元のチームを率いる意義は、間違いなく周囲も本人も感じている。「全国で戦う時に、やっぱり『関東や関西の強いヤツらと戦ってやる』という気持ちは自分が多々良(学園)にいた時もありましたし、そういう所でうまくクラブの良さと、自分が経験してきた高体連の良さも持ち合わせて、もっともっとやれたらいいですよね。僕はタレントっぽくなかったですけど(笑)、高松大樹のように根っからの点取り屋みたいなヤツもいるのでね。そういうヤツを生かすためにも、全体が守備とハードワークをするサッカーができたらなと思います」。自身より高校の同級生を立てるあたりに、中山の人柄が滲む。
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