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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:Over the Rainbow(都立東久留米総合高・加藤悠監督)

ゲキサカ / 2018年9月4日 20時36分

都立東久留米総合高校の加藤悠監督

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

 想像していたようには行かなかった。今でも不安がないとは言い切れない。でも、少しずつではあるが、確かに見えてきたものもある。「やっぱりもう本当に大変で、『ちょっとツラいな』と思った時期も長くありましたけど、このテクニカルエリアに立てるのは凄く幸せだなって思います」。 加藤悠。都立東久留米総合高校を率いるピッカピカの新人監督。ただ、“監督”という領域に足を踏み入れてしまった彼はきっと、その抗えない魅力にもう気付き始めている。

 2年前。加藤は母校の都立久留米高校を前身とする、都立東久留米総合高校に赴任する。同校サッカー部を指導していたのは齊藤登監督。都内でも屈指の理論派として知られ、チームを3度の選手権全国出場に導いている名将だが、既にこの時には2017年度での勇退を決めていた。

 齊藤の指導を仰いだ高校時代を「私は試合に絡む選手ではなかったので」と振り返る加藤は、まだ学生だった2007年から3年間に渡って東久留米総合のコーチを務め、その後は他校で教員としての道を歩み出したが、齊藤の頭の中には後継についてのハッキリとしたイメージがあったようだ。自らの元へ帰ってきた加藤に、2年後には監督業を託す旨を伝える。

 その上、こうも言っていた。「1年生はオマエが上げたくないならAチームには上げなくていい。好きにやれ。2年後はオマエがやるんだから」。そこからは加藤が齊藤の“帝王学”を吸収する日々がスタートする。タイムリミットは2年。「横に置いてもらって、本当に付きっきりで練習も見させてもらって、いろいろなことを教えてもらった」加藤も、知れば知るほど師の偉大さを痛感するが、時間は待ってくれない。2017年度の選手権予選は準々決勝でPK戦の末に敗退すると、予定通りに齊藤は監督の座を退き、加藤が新指揮官に就任。サッカー部としても新たな歴史の扉が開かれることとなった。

 新3年生は担任も持ってきた学年。大半がこの2年間を、ピッチ内外で共に過ごしてきた選手たちだった。自然と双肩に力も入る。「正直なことを言うと、選手たちと『やってやろう』と。『齊藤先生がいなくなって、絶対東久留米総合は弱くなるって思われているんだから、絶対見返してやろうな』と言って入ったシーズンでした」と加藤。新年度を間近に控える3月21日。迎えたT1(東京都1部)リーグの開幕戦では、強豪の國學院久我山高に2-1で勝利を収め、願ってもないスタートを切る。順風満帆。すべてがうまく行くはずだった。この頃までは。

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