[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:Here Comes The Sun(FC東京U-18・芳賀日陽)
ゲキサカ / 2018年10月19日 16時34分
東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」
ずっと悔しかった。チームが思うような結果を出せないジレンマが。ずっと悔しかった。3年間を共にしてきた仲間が試合に出ることの叶わない現実が。そして何より、ずっと悔しかった。10番を託されながら自分の力でみんなを笑顔にできない不甲斐なさが。それでも、明けない夜はない。昇らない“アサヒ”はない。「もうこの2か月、今までFC東京に支えてもらったので、そのFC東京で育ったお礼を見せてやろうという想いです」。ようやく仄暗い空が白み始めた芳賀日陽の夜明けは、きっと青赤を明日へと導いていくはずだ。
1月。FC東京U-18の2018年が始動する。クラブユース選手権2連覇。高円宮杯チャンピオンシップ優勝。2つの全国制覇を成し遂げた主力のほとんどがプロや大学へと巣立ち、まさに“新チーム”の趣が強いチームになったが、佐藤一樹監督も「今年の選手は真っ白というか、何色にも染まって行けそうな雰囲気があるので、いかに良い絵を描けるかという所では凄く楽しみな選手たちかなと。また去年とも違いますし、一昨年とも違いますし、今年のキャラクターがありますから」と期待を隠さない。
セントラルミッドフィルダーにトライし始めていた芳賀も「練習の雰囲気も楽しくやっているので、今年は明るいチームですね」と笑顔を見せながら、「昨年も一昨年も全国を獲っていて、多少プレッシャーもありますけど、それを楽しみながら、自分たちは自分たちなりに頑張っていけば良いかなと思っています」と言葉を続ける。経験のなさを補い得るような良い雰囲気が、チーム全体から窺えた。積みあがっていくであろうものへの期待値が、新しいグループを包んでいたように当時を記憶している。
4月。ベンチから引き揚げてくる指揮官の顔が珍しく引きつっていた。高円宮杯プレミアリーグEAST開幕戦。昨シーズンは最終節まで優勝を争った青森山田高とのオープニングマッチは、4ゴールをぶち込まれてまさかの大敗。受け入れ難い現実を目の当たりにした選手たちも、ショックの色を隠せない。第2節のジュビロ磐田U-18戦で初勝利を挙げたものの、以降は中断に入るまでの7試合で3分け4敗と、1つの白星も手にすることはできず。加えて、少しずつ下級生が出場機会を獲得していくようになる。
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