『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:プレッシャー(前橋育英高・若月輝)
ゲキサカ / 2018年11月28日 13時17分
東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」
「全国優勝した後は嬉しい反面、やらなきゃいけないというプレッシャーも感じていました」「いろいろなプレッシャーがあったので、正直試合が終わった瞬間は『ああ、良かった』という感じでした」「自分の中ではプレッシャーを感じたりして、背負っていた部分があったので、1つ解放されたかなと思います」。振り返れば新人戦でも、総体予選でも、選手権予選でも、いつだって“プレッシャー”が容赦なく襲い掛かってきた。日本一を勝ち獲った次の代のキャプテン。若月輝の2018年は、その魔物と向き合い続ける日々の連続だった。
1月8日。前回大会の準優勝からちょうど1年。“上州のタイガー軍団”として知られる前橋育英高は、1年前に悔し涙を流した埼玉スタジアム2002で歓喜の凱歌を上げる。2年連続で進出した3度目のファイナルで掴み取った悲願の日本一。2年生ながらメンバーに入っていた若月も、初戦と準決勝では途中出場でピッチを踏みしめ、全国制覇の一翼を担ったが、「先輩たちが3年間積み重ねてきた結果が日本一になったと思うので、自分たちが獲ったというよりは、ちょっと他人事のような感じでもあったのかなと思います」と正直な想いを明かす。
その6日後。全国で最も遅く立ち上がった“新チーム”は、早くも新人戦に挑んでいた。「あの時はまだ自分たちが王者の気持ちでいたというか、『自分たちも強いんだ』と変な自信がありました」と若月も振り返ったように、“前チーム”の威光も借りながら、5-1、6-0と“王者”らしいスコアで準々決勝へと勝ち上がる。若月に話を聞いたのはそんなタイミングだった。
健大高崎高とのゲームは2-0ではあったものの、得点差以上の完勝。ただ、試合後の若月は真剣な表情で気を引き締める。「全国優勝した後は嬉しい反面、やらなきゃいけないというプレッシャーも感じていました。でも、去年は去年で今年は今年ですし、自分たちはまだ何も結果を残していないので、もう1回イチからチャレンジャーの気持ちで、自分たちらしくやっていきたいです」「去年優勝している分だけ注目はされますけど、そのプレッシャーに負けずに活躍できればチャンスは広がると思うので、そこは良い意味に捉えて頑張っていきたいなと思います」。短い会話に2度も“プレッシャー”のフレーズが浮かんだあたりに、隠せない心情が滲む。
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