W杯出場辞退の無念を晴らす! 知的障がい者の高校日本一を狙う志村学園・石綿が見せた執念
ゲキサカ / 2018年12月17日 11時19分
[12.16 関東A代表決定戦 都立志村学園 6-0 宇都宮青葉高等学園]
スペースに出された味方のスルーパスに、背番号10のMF石綿洵哉が鋭く反応した。前半5分、中央からやや右サイドを一気に走り抜けてゴール前でパスを受けた石綿はDFの背後に出て、相手GK星野裕菜と1対1の状態に。動きを見て、左足で落ち着いて流し込み、6得点猛攻の導火線となった。
「決められたことはよかったんですが、もっと決められるチャンスもあったし、そこを決められなかったので……」
10分後の前半15分にも、チームの3得点目となるゴールを奪った。守りでも、4-0と勝敗がほぼ決した後半12分、相手陣でボールを奪われ、逆襲を食らいそうになるのを見逃さず、石綿はドリブルであがってきた相手FW中川満史を猛追し、ボールを奪ってピンチの芽をつんだ。40分間、献身的に走り回り、2年連続で全国切符を得ても、はじけるような笑顔は最後まで見せなかった。
勝ち取るまでは全力で走り切る。その背景に、今夏に石綿が味わった無念が深く関わっている。石綿は8月にスウェーデンで開催された知的障がい者のワールドカップ日本代表の一員に選ばれていたが、直前で体調を崩し、代表への帯同を諦めざるを得なくなった。志村学園の小澤通晴監督が当時をこう振り返る。
「7月下旬の合宿中に発熱し、気管支炎のような症状になってしまいました。せきが止まらず、熱も下がらなかったのですが、その症状を抑えるために薬を服用すると、ドーピングに引っ掛かってしまう可能性があったので辞退を余儀なくされたんです。学校を上げて壮行会もしていただきましたので、本人が一番悔しかったでしょう。ただ石綿はまだ若いし、4年後も、8年後も狙えると思います」
高校3年生の石綿は「日本代表には『勝ってほしい』という思いで結果を見ていました」と悔しさを胸の奥底にしまい、練習や試合、そして就職活動にも打ち込み、希望する大手企業から内定をもらうことができた。サッカー1本に専念できる石綿は、2年連続の全国制覇を達成できれば、無念の一部を晴らせるはずだ。
(取材・文 林健太郎)
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