『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:同志(清水エスパルスユース・天野友心、梅田透吾)
ゲキサカ / 2018年12月17日 18時41分
東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」
あるいは1人だったら、ここまで楽しかっただろうか。あるいは1人だったら、ここまで成長できただろうか。「やっぱり『コイツは上手いな』と思わされるのは透吾でしたし、一緒にやっていて盗むものもあったり、気付かされる部分もあって、本当に自分がここまで成長できたのは透吾がいたからかなと凄く思います」「アイツがいなかったらサッカーをやめているかもしれないですし、エスパルスに来てやっていないかもしれないですし、本当に天野と一緒にやれて良かったという感謝の気持ちでいっぱいです」。13歳からの6年間。ゴールキーパーというたった1つのポジションで競い合ってきた天野友心と梅田透吾は、大きな感謝と少しの寂しさを胸に、この春からそれぞれの新たな道へ踏み出していく。
“16” と“1”。後半のアディショナルタイム。意外な番号が第4審の掲げるボードに表示される。8月1日。クラブユース選手権決勝。大宮アルディージャユース相手に2点をリードしていた清水エスパルスユースは、最後となる5人目の交替でゴールキーパーを入れ替える。大会MVPにも選出された梅田透吾が笑顔でピッチサイドへ向かい、短い抱擁を経て、天野友心が自らの持ち場へ駆け出していく。手元のメンバー表を確認すると、どちらも2000年7月生まれの3年生。「なるほどなあ」と感じながら、その光景を眺めていた。
試合後。日本一に輝いた清水ユースを率いる平岡宏章監督の記者会見は謝罪から始まった。「まず1つ言わなくてはいけないのは、ああいうリスペクトに欠けることをやってはいけないんですけど…」。自ら“5人目の交替”について切り出す。彼らがゴールキーパーとして初めてジュニアユースからユースに同時昇格した2人だということ。ジュニアユース時代は天野の方が試合に多く出ていたこと。いくつかの背景を明かしつつ、「今日は梅田が活躍してくれましたが、天野が出ても同じくらい活躍してくれますし、試合に出なくても本当にチームを盛り上げてくれていたので、そういうことも含めて了承してもらいたいと思います。本当にリスペクトに欠ける交替で申し訳ありませんでした」と頭を下げる。想像以上の理由もあって、“5人目の交替”は今夏のハイライトの1つとして、強く記憶に残っている。
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