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キーワードは『コトに向き合う』。24歳でプロ引退、会社員・井筒陸也の未来は…/ロングインタビュー第3回

ゲキサカ / 2019年1月9日 6時30分

関西学院大を大学4冠に導いた異才は今後の会社員生活に生かす

 3年間所属したJ2徳島からの契約延長オファーを蹴り、会社員とアマチュア選手の“二足のわらじ”生活を選んだDF井筒陸也(24)。その決断の背景には、サッカー以外の世界で自らを試したいという欲求と、『コトに向き合う』というスポーツ界の文化があった。インタビュー第3回では、サッカーとの向き合い方、そして今後の展望を聞いた。(第1回、第2回)>

—理念と現実と向き合うという意味では、サッカーのプレー中も同じですよね。ピッチ上ではどう考えていますか?
「まずプレーしてみて、うまくいかない時に論理に戻るってパターンはよくありますね。プロになって初めて4バックの左サイドバックがメインになって、最初は全くできなかったんです。『これ何でだろう』って考えたら、そもそものパターン認識が弱いって結論になりました。

 慣れたポジションだと『こういう時はここ、ここ、ここに選択肢がある』という感じなんですが、慣れていないポジションだと、パッと周りを見てから選択肢を探すのが難しいんですね。だから、うまくいかないときは『まずここでパスを受けたらだいたい縦は通るから、あとは斜めのコースと、相手の右サイドバックの裏に落とすパターンもあるな…』とか、だいたい3〜4パターンくらいに分類してやっていました。

 ただ、僕は試合の流れとか相手との距離とかを考えてやっていたんですが、言語化できない範囲では身体の中でもそういうことをやっているんです。また、そこを考えながらやっていない人もいるんですね。無我夢中でやってる感じで。でも、それでも成長する人もいるんです。言語化できていなくても。ただ、自分は最初に大枠で言語化して、準備しておいて、最初のコンマ何秒かを使えるのがいいんじゃないかなと思っています」

—それってよく『ゲームモデル』という概念でも言われる話ですね。井筒選手の言葉を借りれば、チーム全体に“パターン認識”を作るという考え方だと思うんですが、徳島の場合はどうでしたか?
「プロになってめっちゃ思ったのは、やっぱり戦術はあるなってことですね。ナリさん(成山一郎/元関西学院大、現Criacao監督)もすごく勉強していたので、もちろん戦術はあったんですが、プロに入ってから、特にリカルド(リカルド・ロドリゲス監督)になってからは、さらにめっちゃ勉強になりました」

—具体的に、どういった点ですか?
「えーっと、何がすごいのかな…。ポジショニングなんですかね。リカルドの戦術に限らず、プロに入ってすごい選手を見ていて思うんですけど、やっぱりみんなポジショニングがすごい。そこに立っていればボールを取られないとか、そこに立っていればきっちり守れるとか、そういう原則があるんですよね。アマチュアではそういう概念がありません。どう走るか、どうドリブルするか、という話が多いので。

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