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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:あの日の決意表明(アルビレックス新潟・新井直人)

ゲキサカ / 2019年3月6日 12時24分

 暮れも押し迫った昨年末。Jリーグのさまざまなクラブから新加入選手のリストが発表されていく中に、大学卒業を控えた新井の名前を見つけることは、まだなかった。新潟経営大学でキャプテンを任されていたことは知っていたが、なかなかタイミングが合わず、彼のプレーを最後に見た“あの日”からは4年近い月日が経っていた。

 あるJクラブからは内定をもらっていたものの、まだチャレンジしたい気持ちが消えていなかったという。目指すのは土地柄もあって、何度もトレーニングマッチで対戦し、実際に練習にも参加していたオレンジのチーム。興味がある旨は聞かされていたものの、なかなか正式なオファーは届かない。母校の実践学園で自主トレも兼ねて後輩たちと汗を流す日々。高校時代から彼を知る学校関係者は「携帯を見ながら『まだ連絡をもらえていないんですよ』と言ってましたね」と、その頃を振り返る。

 年が明けると、新井の携帯が鳴る。1月16日からスタートするアルビレックス新潟の高知キャンプ。ここに初日から練習参加して欲しい旨の連絡が入った。実質の“ラストチャンス”。否が応でも気合が漲る。だが、強化部長を務める神田勝夫は「初日から来てもらってましたからね。あとは手続きとかそういう部分の話で」と打ち明ける。

 そして、そのリリースは発信される。『新井直人選手(新潟経営大学) 新加入内定のお知らせ』。2019年2月9日。新井直人は正式にアルビレックス新潟の一員として、プロ選手としての第一歩を踏み出すこととなった。

 それからわずか15日後。33人の登録選手で最も遅く契約の決まったルーキーは、京都サンガと対峙する開幕戦のスタメンリストに名を連ねていた。背番号は32。ポジションはセンターバック。アウェイ用の白いユニフォームを纏い、先頭に立つキャプテンの加藤大から数えて7人目に、西京極のまっさらなピッチへ歩みを進めていく。

 開始1分も経たないファーストプレーで、自陣エリア内でのトラップを事も無げにこなしてみせると、直後には相手フォワードをオフサイドに陥れる。画面上からもルーキーらしい緊張感は微塵も伝わってこないどころか、時折見せる正確なキックが、そのプレースタイルを浮き立たせていく。圧巻は後半6分。走るレオナルドへグラウンダーで通した40mフィード。シュートには繋がらなかったものの、そのセンスと確かな技術に舌を巻く。前述の学校関係者に送った「あのパス出しちゃいました(笑)」のメッセージには、若者らしさが垣間見える。

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