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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:Strawberry on the Shortcake(國學院久我山高・山本航生)

ゲキサカ / 2019年6月27日 22時21分

大成高との決勝戦、國學院久我山高のFW山本航生が後半24分にゴール

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

 あらかじめ定められていたのかもしれない。あの日から憧れ続けたユニフォームを身に纏うことを。あらかじめ定められていたのかもしれない。あの日から憧れ続けたチームをゴールという歓喜で牽引することを。「僕は『久我山に入りたいな』と思って、ずっと頑張ってきて久我山に入ったので、自分たちの代のチームが小学生や中学生に『凄いな』と思われて、その子たちが『久我山に入りたいな』って思ってくれるようなサッカーができていれば、自分が目指していたようなチームになれていると思います」。國學院久我山高のセンターフォワードに君臨する山本航生は今、かつての自分が目指していた彼らを超えるべく、『憧れのこちら側』で力強く、しなやかに、“イチゴ”を乗せ続けている。

「点を取るのが自分の仕事だということはわかっていたんですけど、ここまでずっと取れちゃうと、逆に『悪いことに遭っちゃうんじゃないか』とか(笑) 親も凄く喜んではくれるんですけど、『気を付けろよ』みたいに言われていて。なんか自分でも結構驚いている感じです」。総体予選準決勝の試合後。圧巻のハットトリックで國學院久我山を2年連続となる夏の全国出場へ導いた山本航生は、そう笑いながら首をかしげる。重要な試合での3得点だけでも驚異的な勝負強さだが、それすら霞んでしまうような数字を今年の彼は積み上げてきている。

 まずは時計の針を今から6年ほど巻き戻そう。既にサッカーの虜になっていた少年は、父親に連れられてたまプラーザのグラウンドを訪れる。舞台はプリンスリーグ関東。予備知識もなく、何となく見に行ったその試合で、彼とそのチームは運命的な出会いを果たす。「もう『あっ!』って。『このチームに入りたい!』って」。小学校6年生だった少年が山本。そのチームは國學院久我山。とにかく圧倒的に楽しいサッカーが、とにかく眩しく見えた。

 当時は清水恭孝監督も「あの時が一番『日本一が近くなったのかな』と思った時ですよね」と認める、屈指の実力を有した世代。富樫佑太(FC岐阜)、平野佑一(水戸ホーリーホック)、渡辺夏彦(FCメンミンゲン/ドイツ)という、1年からレギュラーを張り続けた3人のタレントを擁し、久我山サッカーの理想形とも称されたようなアタッキングフットボールを披露していたチームであり、「まだ『中学で今から頑張ろう』みたいな感じだったので、高校の進路は何も考えてなかったんですけど、もう1試合か2試合ぐらいを見て、『ああ、久我山でサッカーしたいな』と思いました」という山本の心情も十分に理解できる。

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