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「選手権に懸ける」。インハイ予選敗退から再び歩み始めた千葉名門2校の戦い、流経大柏が制して冬へ弾み

ゲキサカ / 2019年6月30日 23時10分

 23分、左サイドから攻め直すと森山のパスに反応した田村がエンドラインギリギリから中央へ折り返す。これをニアで交代出場FW橋本清太郎(1年)がわずかに触ると、2列目から走り込んできた大西がダイレクトで右足を振り抜く。市船DFも必死にタックルして足に触れたが、シュートの威力が勝る形でゴール右隅へ。流経大柏がスコアを動かした。

 反撃に出たい市立船橋だが、波多秀吾監督の指摘する「ゲーム体力と個人個人の逞しさ」という課題が出てしまう。勢いに乗った流経大柏の攻撃を何とか凌いでいたが、攻撃に出ることができない。逆に運動量の落ちない流経大柏は35分、左FKをショートで繋ぐサインプレー。左中間で受けた森山は当初の狙いと異なる形でボールを持ったが、迷わず、そのままDFを振り切る形で縦に切れ込む。この折り返しをニアの藤井が左足ダイレクトで決めて2-0とした。

 市立船橋はこの後、選手交代から反撃しようとするが、インターハイ予選決勝の日体大柏高戦で2-0から逆転負けを経験している流経大柏は、ここから集中力の高い攻守。相手を自陣ゴールに近づけず、逆に八木の好パスからチャンスを作り出すなど攻め続けて勝利した。これで17年以降の市立船橋との直接対決は5勝1分。ライバルに勝利した流経大柏が今後へ向けて弾みをつけた。

 流経大柏の本田監督はインターハイ予選敗退後、「オレのコンディションが悪かった。オレの責任だ。申し訳ない。次のプレミアから少しずつ上げて行こう。諦めずにやろう」と選手たちに語ったという。悪夢の敗退、また指揮官の去就についてなどのニュースに動揺した選手もいたかもしれない。切り替えるのは容易ではなかったはずだ。

 だが、藤井は「あれ(決勝での逆転負け)はピッチ内の自分たちが戦っていなかったし、監督は監督のせいと言うけれど、自分たちの責任」と語り、日体大柏戦で負傷欠場の八木の分まで戦っていた渡會も「(予選敗退は)相当悔しかったです。(でも敗戦は)監督ではなく、自分たちでも考えないといけなかったし、人のせいにはできない」。2-0で油断し、戦う姿勢を欠いた自分たちの責任とした。選手たちは言い訳することなく冬へ向けて歩み始めている。

 八木は「自分たちに残されているのはあと、プレミアと選手権しかないので、どう変えてもインターハイは出れないので、それを良い薬にするだけ。負けをどうプラスにしていくかは話していますね」という。選手権で再び千葉を勝ち抜き、2年連続の準優勝を超えて頂点へ。この日、2-0になってから隙のない戦いを見せた流経大柏は、積み重ねながら選手権へ向かう。

 渡會は「(本田監督の)最後の年になっているので、良い結果を出して送り出すのが自分たちに課せられた使命」と力を込め、藤井は「選手権2年連続準優勝で、(本田)監督も今年が最後ということで、ある意味『選手権に懸けろ』という神様からのメッセージなのかなと。選手権獲るためにやっていきたい」と誓った。流経大柏は悪夢のような敗戦も、この日手にした大きな白星も巻き返すための力にする。

(取材・文 吉田太郎)●高円宮杯プレミアリーグ2019特集

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