1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:帰還(前橋育英高・徳永涼)

ゲキサカ / 2022年7月7日 20時0分

 DF大槻豪(3年)、DF花松隆之祐(3年)、MFモハマドファルザン佐名(3年)、FW山本桜大(3年)など、今シーズンのU-18でも主力を張っているメンバーも、いわゆる“初期メンバー”。9歳から一緒にボールを追い掛けてきた仲だ。彼らはとにかくサッカーをするのも、サッカーを見るのも好きだったという。

「みんなでユースの試合を見に行く雰囲気もありましたね。手塚康平(横浜FC)さんが高3の時に、プレミアを日立台でやっていて、凄く上手いし、『左利きでカッコいいな』って。それはだいぶインパクトがありました」。のちにJリーガーになる“お兄さん”たちも数多く見てきた。これはアカデミー全体の距離が近いレイソルの特徴と言えるだろう。

 そのままU-15へと進んでからも、徳永は気の置けない仲間たちと切磋琢磨する日々を送っていく中で、もちろんU-18でプレーする未来を想像していた。中学3年生に進級し、1度目の面接の際には昇格を希望していたものの、少しずつその“レール”の先にある成長の種類について、思考を巡らせ始める。

「レイソルで基礎技術は凄く成長しましたし、これからも十分成長できるとは感じていたんですけど、やっぱりプラス1つ何か自分に求めたいと考えた時に、『環境を変えてみるのもいいのかな』と思ったんですよね」。

 6月にあった2度目の面接の際に、徳永はアクションを起こす。「ユースに上がりたいかどうかと、ユースに上がれなかった時の進路を書く形だったんですけど、そこに自分の書きたい欄がなかったので、『自分はこう考えていて、理由はこうで』という手紙を追加して書きました」。自ら考え、行動できる自主性はこの頃から備わっていたようだ。そんな徳永の頭の中には、明確な“進路”のイメージがあった。

「(櫻井)辰徳さんが2年生の時のプリンスリーグの帝京戦を見た時に、メチャメチャ良いサッカーをしていて、昔から選手権への憧れもあったので、そういうところでやりたいなとは少なからず考えていました。ボランチが中心のサッカーだと思いましたし、山田(耕介)監督の本も自分で買って読んで、寮生活になるので自立できますし、人間性の部分や泥臭さも身に付けられるなと。そこが自分はレイソルから出るのであれば一番欲しいところだったので、そこが学べるということを知って、もう“一択”でした」。

 前橋育英高校。日本一に輝いたこともある名門で、サッカー選手としても、人間としても一回り大きくなりたいという意志から、自らいばらの道に足を踏み入れる決断を下す。「『ユースに上がってほしい』とは言われたんですけど、最後は自分の意見を尊重してくれたので、特に相談に乗ってくれたコーチの志田(達郎)さんには凄く感謝しています」。周囲の理解を得た徳永は、6年間を過ごした日立台を離れ、さらなる成長を誓って群馬の地へと身を投じた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください