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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:帰還(前橋育英高・徳永涼)

ゲキサカ / 2022年7月7日 20時0分

徳永と中村。盟友同士のマッチアップ。お互いに意地をぶつけ合う

「やっぱり『レイソルの育成は素晴らしいな』って。守備1つとっても自分たちのことを本当に分析して、中に入れさせないように守備してきていて、そういうところはやっていて『嫌だな』と感じましたし、『凄く組織としてちゃんとしているな』と思わせられました」。そう試合を振り返る徳永に、改めてこの90分間の“帰還”を終えた想いを尋ねると、少し言葉を探しながら、静かに語り出す。

「レイソルの選手の名前を知っているからこそ、その名前を呼びそうになりました(笑)。それを呼んでも育英の選手はわからないのに、名前で指示しそうになったりもしましたね。そういう不思議な感じはありましたけど、気にしないように意識しました」。

「外に出させてもらったレイソルと、また対戦することができるというゲームで、まずこのシチュエーションを迎えられたことが凄く嬉しいことで、それは去年の3年生にも感謝しないといけないですし、レイソルのみんなにも感謝したいです。この90分を終えられたということは、この試合だけのことを考えるのではなくて、去年の先輩だったり、いろいろな関係者の方がいてこそ実現したことだったので、凄く良かったなと思います」。

 日立台の恵まれた環境を後にして、2年半が経った。自らの決断には一片の後悔も感じていない。だからこそ、その決断の正しさをかつての仲間たちに、かつてのコーチたちに証明しようと、この日が来ることをずっと待っていたのだ。だが、いざそのピッチに“帰還”してみると、そんな感情よりも、楽しさの方が、感謝の方が遥かに上回っていた。

 中村が、少し照れくさそうに紡いだ言葉も忘れられない。「涼から前橋育英に行くという話を聞いた時に、『自分から厳しい道を選んでいくなんて凄いヤツだな』って。同学年ですけど憧れもあって、寂しいというよりは尊敬の気持ちもありましたし、もし自分と戦うことがあったら、その時はまたバチバチした感じでやれるかなという期待はずっとあったんです。実は高1の時は『涼がチームにいてくれたらな』とも考えたりしていたんですけど、それは涼が決めたことですし、自分もしっかり成長して、張り合えるぐらいにならなきゃなって。涼のことはライバルだと思っているので、こうやって対戦できたらやっぱり楽しいし、嬉しいですね」。

 2人の話には、続きがある。日立台への“帰還”から2週間。インターハイ予選決勝で見事に全国切符を勝ち獲った試合後に、徳永がこんなことを教えてくれた。「拓夢が『涼についてインタビューされたよ』って。『なんでオレのことじゃないんだ。1点獲っただろ』って言われましたけど(笑)。『オマエのこと、凄く立てて言ってやったからな』という照れ隠しを拓夢は言ってきましたね」。結局のところ、彼らはとにかく仲が良いという結論に落ち着きそうだ。

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