『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:真夏に咲いた桜の戴冠。日本一を手繰り寄せた3年生の努力と献身(セレッソ大阪U-18)
ゲキサカ / 2022年8月5日 7時42分
東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」
日本一に輝いた試合後。チームのキャプテンを務めるDF川合陽(3年)の語った言葉が印象深い。
「トーナメント形式になって、負ければ終わりというところから、チームの団結力は芽生えてきたかなと思います。ここに来れていない3年生もいるので、その人たちの想いも背負ってきたのはもちろんですし、3年生だけじゃなくて、ケガで来れていない下級生もいる中で、『絶対優勝するしかない』というのは3年生とも話していました。僕たちはコロナもあって難しい3年間を過ごしてきたので、このタイトルは絶対獲りたい位置付けでしたし、みんなで絶対獲ろうと思っていました。良いチームになってきています」。
日本クラブユース選手権(U-18)大会で13年ぶりに頂点に立ったセレッソ大阪U-18(関西2)。真夏に咲いた桜の戴冠には、これまで決して出場機会に恵まれてきたわけではない、3年生たちの努力と献身が間違いなく大きな要素として、チームの中心を貫いていた。
プレミアリーグの出場は、ここまでわずかに1試合。FW緒方夏暉(3年)は苦しんでいた。同い年のチームメイトでもあるFW木下慎之輔(3年)が開幕から順調にゴールを重ねる中で、自分は試合に出ることもままならない。「シンがそれだけ得点を獲れる能力があるというのは知っていたので、『凄い活躍だなあ』と思っていたんですけど、陰で負けたくないという想いは常にありましたし、『シンを追い抜かしたいな』と思っていました」。
迎えたクラブユース選手権。初戦のモンテディオ山形ユース(東北3)戦でスタメンに抜擢された緒方は、チームの5点目を記録。確かな結果を残してみせると、木下がブラジル留学に向けて離脱したラウンド16でも、FC東京U-18相手に2ゴールをマーク。PK戦でも1人目のキッカーとして、きっちりゴールを叩き込み、準々決勝進出に貢献してみせる。
「自分はなかなか厳しい時期をずっと過ごしていて、その中でも回ってきたチャンスを掴むためにも、ずっと準備はしてきました。今回はチャンスを与えてもらっているので、それを掴み取るのは自分次第だと思います。『シンがおらんくても大丈夫やで』というのを示したいというか、『オレがおるから安心せえよ』というところでも、自分が点を獲って、チームを勝たせていきたいです」。
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