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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:真夏に咲いた桜の戴冠。日本一を手繰り寄せた3年生の努力と献身(セレッソ大阪U-18)

ゲキサカ / 2022年8月5日 7時42分

 準決勝後にそう力強く話していた緒方は、ベンチスタートとなった決勝でも後半開始から登場すると、前線から果敢にプレッシャーを掛け続けながら、ひたすらゴールを狙い続ける。自身の得点は生まれなかったが、チームの決勝点に絡み、優勝の瞬間をピッチで体感することとなった30番に対して、今大会の指揮を執った相澤貴志GKコーチが向けた想いが温かく響く。

「緒方は前のポジションでという意味では、今までチャンスをもらえない選手だったんですけど、プレミアのガンバ戦で途中で入った時から、自分の持ち味だったり、無理の利くプレーが出せて、基点になっていたりもしていたので、僕も期待して起用したんです。それなりに結果も残していたので、そういう中で良い競争がまた生まれて、(金本)毅騎もアビスパ戦でゴールを決めてくれましたし、常に競争があってチームが成長していくという意味では期待に応えてくれているなと。まだ物足りない部分は正直ありますけどね(笑)」。

 積み重ねた努力は嘘をつかない。試合に出られなくても、地道に日々のトレーニングに取り組んできたストライカーの躍動が招いたさらなる競争意識が、桜のフォワード陣全体を一段階先のフェーズへと連れていったことは、語り落とせないだろう。

 本職のポジションで勝負したいけれど、託された仕事はきっちりこなさなくてはいけない。MF伊藤翼(3年)は悩んでいた。プレミアリーグの序盤戦こそボランチで起用されることが多かったが、徐々にサイドバックやサイドハーフでの起用も増え、1年生のMF木實快斗が中盤の中央で存在感を高めていく。



「自分の中ではボランチが一番やりたいという想いがありますし、快斗も上手いんですけど、そこは自分の方が学年も上なので、『負けてられないな』って。でも、悔しさというよりは、『やってやろう』という想いの方が大きかったです」。任されれば仕事をする自信は、ずっと携えてきた。

 今大会では基本的にボランチのファーストチョイスとして、ピッチのど真ん中で攻守に気の利くプレーを披露し続ける。加えてとにかく明るい性格の伊藤には、任されている大事な役割があった。「僕がアップ前の円陣の掛け声担当なので、気合を入れて、盛り上げて、『みんな行くぞ!』というのをやっているんです(笑)」。

 そんな自分も含めた“元気印”たちの影響が、今年のチームの雰囲気を作ってきていることも、伊藤は敏感に察知している。「去年はこんなんじゃなかったんですけど(笑)、今年は最高学年としてみんなが引っ張っていく感じが出てきて、声も出るようになってきましたね。チームの雰囲気も変わって、練習から声も出るようになってきたと思います」。

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