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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:32番のラストステージ(日本大・千葉武)

ゲキサカ / 2023年12月10日 8時24分

日本大の32番を背負うMF千葉武(4年=ベガルタ仙台ユース)

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

 最後の最後で勝ち獲った一際大きな背番号は、4年間を全力で駆け抜けてきた証に相違ない。だから、その姿勢で、その背中で、示す。このチームで出会ったかけがえのない仲間たちに対する揺るがない信頼を。今までの人生であらゆるものを注ぎ込んできたサッカーに対する情熱を。

「この4年間、日大でサッカーをやってきた集大成がこのインカレで、それこそこの大会のために社会人チームで頑張ってきたところもあるので、とにかく後悔がないようにサッカーをしようという想いはありますね」。

 “社会人チーム”を逞しく束ねるキャプテンから、“トップチーム”を支えるラストピースへ。追加登録でインカレのメンバーに滑り込んだ日本大の32番。MF千葉武(4年=ベガルタ仙台ユース)はサッカーキャリアの集大成として最高の景色を見るために、目の前のやるべきことと向き合い続けている。



 ピッチサイドにその男の姿を認めた応援席の部員が、「ベガだよ、ベガ!」とにわかにざわめき始める。日本大にとって実に20年ぶりの出場となるインカレの1回戦。高松大を相手に3点をリードしていた後半25分。32番を背負った千葉が、少し陽の傾き始めたピッチへと駆け出していく。

「自分の中では『もう入れないのかな』という想いはあったんですけど、腐らずに、ひたむきにやっている姿というのをスタッフが評価してくださって、追加登録という形で最後の大会のメンバーに選んでもらったというのは、素直に嬉しかったですね」。そう語る千葉が、今年の主戦場として身を置いてきたのはトップチームではない。

 川津博一監督が自らの率いる日本大サッカー部の構造を説明してくれる。「ウチには部員が80数名いて、トップチームとIリーグ(インディペンデンスリーグ)のチームに加えて、社会人リーグに登録しているチームがあるんです。“社会人チーム”は3,4年生のメンバー外の選手たちで、Iリーグの方は1,2年生のメンバー外の選手で、あとはトップチームという振り分けをしています」。

 千葉がプレーしてきたのは“社会人チーム”。東京都社会人リーグ1部を戦う『FC N.』のキャプテンとして、トップチーム入りを狙う選手たちを1シーズンに渡って束ねてきた。

「自分から『やりたい』と言ったわけではないんですけど、チームからの推薦みたいな感じでキャプテンになって、やっぱり社会人チームとして『関東リーグ昇格』という偉業を成し遂げたい気持ちはありました。それでも、やっぱりトップチームを目指す人間がキャプテンをやるべきだと思うので、そこを目指す背中に付いてきてほしかったというのが、キャプテンとして思っていたことですね」。

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