新天地C大阪でアンカー担うMF田中駿汰、“万能SBコンビ”との連係にも手応え「お互いを見て判断を変えながらうまくやれている」
ゲキサカ / 2024年3月5日 20時45分
[3.2 J1第2節 鹿島 1-1 C大阪 カシマ]
セレッソ大阪に今季加わったMF田中駿汰は開幕節から、4-3-3のアンカーという新たなポジションにトライしている。北海道コンサドーレ札幌では主に3バックの一角を務めていたが、大学時代にも経験していた中盤は「自分の特徴をより出せる」と自負するポジション。主力を務めながら「そこそこやれているけど、もっとやれると思う。もっと直接的に結果につながるプレーをしていきたい」とさらにレベルアップを続けていく構えだ。
C大阪は今季、開幕節のFC東京戦で2-2、第2節の鹿島戦で1-1と引き分けが続いているが、内容面では上々のパフォーマンスを発揮している。一つの武器となっているのは、中盤に絞る左SBの登里享平と田中が絡み、相手のプレスをいなしながら自在にボールを前進させるビルドアップ。ここに右SBの毎熊晟矢も随所に顔を出すことで、試合を支配する時間帯を長く作り出している。
鹿島戦でも万能SBコンビを活かした戦術が機能し、前半はほぼハーフコートゲームを展開。「常にノボリくんと僕で真ん中にしっかり組み立てに入りながら、(香川)真司くんとおっくん(MF奥埜博亮)はできるだけ前に関われるように意識していた。鹿島の選手にとっても嫌そうに、やりづらそうだった。僕たちにとってもいい感じでポゼッションをできていたと思う」。終盤の同点被弾で引き分けに終わったが、田中は攻撃への手応えを口にした。
登里とは今季初めて共にプレーする新加入コンビとなるが、「やりづらさは全然ない」と連係面は上々。「ノボリくんも僕を見ながらいろいろとポジションを取ってくれる。僕もノボリくんを見ながら、どっちもが降りすぎず、一人がフォローの動きを意識しながらやっている。お互いがお互いを見ながらしっかりやれている」といい、右から顔を出す毎熊とも「ノボリくんが開いた時は晟矢も中に入って、中盤を構築してくれる。お互いが見ていないとできないし、みんながお互いを見て判断を変えながらうまくやれている。キャンプから取り組んできたことがしっかり試合に出ていると思う」と良い関係性を築けているようだ。
もっとも田中は現状の連係面に満足するのではなく、自らがより違いを見せられるように取り組んでいる。183cmの上背を活かした守備力を持つ田中が攻撃面でも際立つクオリティーが出せれば、脅威は人一倍。高さのあるボランチは世界的にも求められており、2019年のE-1選手権以来の代表復帰も現実的に見えてくるはずだ。
「もっと自分のところからどんどん前につけて、そこからゴールというのが求めている形。もしくは背後に一発でゴールに直結するような形を出していきたい」。そのためにもまず目指すはチームのタイトル獲得だ。「リーグのタイトルを必ず成し遂げたい。自分が入った1年目で成し遂げるから自分が来た意味があると思っている。個人のこともそうだけど、リーグ優勝に貢献するのが一番成長につながると思う。まずはそこの順番をはき違えないように、チームのタイトルのために自分の力を使いたい」と決意を語った。
(取材・文 竹内達也)
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