『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:頂を望む(カターレ富山U-18)
ゲキサカ / 2024年3月28日 12時19分
先に作った決定機は前半8分。バイタルで前を向いた高川が鋭いスルーパス。抜け出したFW山出祥矢(1年)がGKとの1対1から放ったシュートは、しかしファインセーブに阻まれる。さらに1分後の9分。今度は高川がミドルレンジから枠内へ収めたシュートは、再び相手GKがセーブ。先制には至らない。
カターレ富山U-18の10番を背負うFW高川諒希(2年)
以降は京都U-18が攻勢に。それでもスタンスを崩すつもりはない。「しっかり後ろから繋いで攻撃を組み立てながら、主導権を握ってゲームを進めていきたいですし、ジュニアユースの時からそういうスタイルでやっています」と話すキャプテンのDF小田切祐真(2年)とDF朝比奈寛泰(1年)のセンターバックコンビを中心に、中盤のMF野嶋竜斗(2年)とMF長谷川岳久(1年)もパスをピックアップしながら、丁寧にボールを動かしていく。
20分にはファインゴールで先制を許したものの、富山U-18も右のDF白川紳晴(2年)とMF片原太一(2年)、左のDF前林士雲(1年)とMF折橋蓮(2年)が縦に組んだ両翼を使いながら、整える反撃体制。2失点目を献上した直後の後半5分(35分ハーフ)には、片原と高川で右サイドを崩し、最後は白川が打ち切ったシュートは枠を越えるも好トライ。守護神のGK仙田琥太郎(2年)もこれ以上の失点は許すまいと奮闘する。
ファイナルスコアは0-2。勝利には届かなかったが、「チームの完成度が高くなってきていて、こういう良い相手と、この良い環境でできる中で、どれだけ自分が成長できるか、どれだけ質の高いプレーを出せるかに挑んでいる感じで、自分の中ではまだまだできるという想いがありますね」とMF吉崎裕大(2年)も口にしたように、ハイレベルな相手と70分間を戦ったことで、収穫と課題を同時に手にしたことは間違いない。
「話し合ってはいないんですけど、自分たちの代は基本的にユースへ上がれる人は上がろうという感じになっていました。そういう代は結構珍しくて、相当仲が良いですし、仲間への思い入れもありますね」。小田切は少し笑顔を浮かべながら、そう明かす。11人が名前を連ねる今年の新3年生は、実に10人がU-15からの“持ち上がり”だ。
富山U-18のキャプテンを託されているDF小田切祐真(2年)
「期待はされてきた代だと思います」と吉崎が話すのにも理由がある。彼らが中学3年生だった2021年には、わずか1敗で北信越リーグ優勝を堂々達成。冬の全国大会は初戦で名古屋グランパスU-15に苦杯を嘗めたが、その試合に出場したスタメンの大半は次のカテゴリーでのリベンジを誓って、U-18へと昇格してきた。
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