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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:ピカピカの社会人1年生(桂陸人)

ゲキサカ / 2024年5月28日 19時6分

 ユースに進んだ後も着々と成長を遂げ、10番を背負った高校3年時にはプレミアリーグWESTを堂々と制し、ファイナルでは鹿島アントラーズユースを撃破して日本一に。トップチームの昇格は叶わなかったが、ずっと携えてきたプロサッカー選手になるという夢を実現させるため、関東の名門・順天堂大に進学。生まれ育った広島を離れ、大学サッカーのステージに飛び込んだ。

プレミアファイナルを戦う広島ユース時代の桂。10番を背負って日本一に貢献した

 スタートは順調だった。入学直後の4月に関東大学リーグデビューを果たすなど、早々にチームにもアジャスト。着実に手応えを掴みつつあった中で、そのタイミングは突然訪れる。「夏前ぐらいのある日の、夜の練習が終わった時でした。その日はトイレに行っても出し切った感がなくて、『ちょっと怖いな』と思っていたんですけど、ちょっとずつ腎臓のあたりに違和感が出てきて。1回やっているから『来そうだな』というのがわかるんですよ。それでもう痛くなる前に自分で救急車を呼んで、近くの病院に運んでもらいました」。予感的中。尿管結石の再発だった。

「汗がうまく出ないから、水分を摂らないと尿が溜まっていって、悪い物質が石になるんです。サッカーをやっているとそのバランスがうまく取れないので、お医者さんには『わざわざ水分補給するよりは、1回サッカーから離れて水分だけ摂って、薬も飲みながらうまくやっていかないと』と言われました」。秋ごろには練習に復帰したものの、年が明けるとまたもドクターストップが掛かる。

 さらに桂を、そして世の中を、予想もしなかった事態が襲う。新型コロナウイルスの世界的な蔓延だ。1年時は寮生活をしていたが、2年に進級して1人暮らしを始めていたため、いろいろと考えてしまうことも少なくなく、ひたすら通院を繰り返す毎日の中で不安が募っていく。

 その後も何回か尿管結石に苦しめられ、改めて検査してみると、今度は『急性腎不全』という診断が下る。「『激しい運動を継続的にやると数値が悪くなってくるので、やらない方がいい』ということでした」。自分がプレーできない一方で、代表で一緒に戦っていた仲間はそれぞれのステージで活躍している。「自分は立ち止まっているというか、何もできなかったので、一時期はサッカーの情報をシャットアウトしていました」。

 ようやく9月に入るとドクターからの許可が下りて、練習へと復帰。ただ、通院と授業との兼ね合いからトップチームの練習とは時間が合わず、チームのスタッフとも相談した上で、トップチームの後に行われるセカンドチームの練習に参加し、コンディションを整えながら、少しずつボールを蹴る感覚を呼び覚ましていく。

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