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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:ピカピカの社会人1年生(桂陸人)

ゲキサカ / 2024年5月28日 19時6分


 実はメディカルチェックの結果が出たころから、海外でのクラブ探しと並行して、就職活動は始めていたが、中途半端な気持ちで成果が出るほど、その世界も簡単なものではない。「始めたばかりの10月と11月にも何社か受けたんですけど、何も準備していなくて、『その場のノリで行けるやろ』と思っていたので、がっつり落とされましたね(笑)。『ああ、就活って大変だな』って」。

「それで『もうこれは1年遅らせよう』と。その時はこのまま就活をしても、普通のサラリーマンになってしまうというか、自分の存在が消えちゃいそうになるのを凄く感じていたので、だったらやりたいことをもう1回勉強して体勢を整えたいなと思って、“2023年卒”での就活はあきらめて、“2024年卒”で行こうと思ったのが11月ですね」。焦って決めてしまうのではなく、ちゃんと時間を掛けて、自分のやりたいことを見つける。そう考えると、少しだけ気分が楽になった。

 しっかり対策を講じ、自分自身を見つめ直して、真摯に就職活動と向き合ってからは、もう“連戦連勝”だったという。「ここまでいろいろな経験をしているのは、僕ぐらいしかいないと思うので、面接の機会を戴けて、それを伝えられることができれば、かなり手応えはありました。『スポーツをちゃんとやってきた経験って強いんだな』とは感じましたね」。決して楽しいことばかりではなかった。むしろ苦しいことの方が多かったかもしれない。それでも、サッカーの世界を自らの足で歩いてきた今までの道のりが、自分を助けてくれたのだ。

 この4月からは、希望していた大手企業で働き始めている。「自分をイチから叩き直したいと思っています。働き方も比較的自由の利く会社で、将来は漠然とですけど『自分で会社をやりたいな』という想いもあるので、ここならより可能性が広がるなと思って、頑張って働いています」。スーツに袖を通し、革靴を履き、慣れない仕事に悪戦苦闘しながら、ちょっとずつ働くことの意味を実感している。

 今でも代表活動で一緒に戦った仲間とは、親交が続いている。「由勢とか敬斗、建英は日本に帰ってくるたびに会っていますね。この前も自分の進路をみんなに話したんですけど、凄く応援してくれました。病気のことも知っているので、『もうそれはしょうがない』と声も掛けてくれましたし、メッチャいいヤツらですよ。凄く良い関係だなと思います」。

U-16日本代表時代の一コマ。前列左から3人目が桂、5人目が久保。後列左から1人目が菅原、2人目が中村

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