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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:2つの覚悟(筑波大・加藤玄)

ゲキサカ / 2024年12月24日 12時15分

「天皇杯は完璧に僕らが試合を支配して勝ったんですけど、リーグ戦の前期は(天皇杯の)ゼルビア戦から中2日で、ヘロヘロの中で耐えて、耐えて、最後の最後でポロッと折れてやられましたし、後期は90分間圧倒的に支配されて、何もできずに終わったので、やっぱり明治にやられることで、何かを変えなきゃと思って、また新しく取り組みを変えたり、上積みをしたり、トライはしてきましたね」。加藤にとっても、これが筑波の選手として明治を倒すラストチャンスだ。

 加入内定リリースを出すタイミングも、クラブとしっかり話し合っていた。「インカレの前にリリースを出したいとクラブにお願いしました。部員のみんなにもちゃんと説明しましたし、蹴球部を応援してくださる皆さんにも『アイツは最後の大会なんだ』と思って、応援してもらえるようにとも考えていました」。

 大学最後の大会を前に“いつも通り”を心掛けていたものの、いつもとは違う自分もしっかりと感じていた。「来年からプロに行くからどうこうというのは、思っていないつもりでしたし、自分としては去年のインカレと何も変わらず、120パーセント勝ちたいという想いでしたけど、グループリーグからメチャメチャ緊張しましたし、今日もちゃんと緊張しましたし、やっぱり力が入っていたんだなと思います」。無理もない。負ければその時点で、この3年間のすべてを注いできた蹴球部の活動に終止符が打たれるのだから。

 今季4度目の対戦は、お互いを知り尽くしているだけに、立ち上がりからどちらも慎重なプレーが目立ち、なかなか決定機を作り出すまでには至らなかったが、0-0で迎えた前半のアディショナルタイムに16番へ決定的なチャンスがやってくる。

 スローインの流れから、FW半代将都(4年=大津高/熊本内定)、MF角昂志郎(4年=FC東京U-18/磐田内定)、MF清水大翔(1年=C大阪U-18)と細かくパスを繋ぐと、加藤が思い切り良く叩いたシュートは枠を捉えるも、相手GKが懸命に弾き出したボールはクロスバーの上へ。先制点は奪えない。

 90分を終えても、120分を終えても、スコアは動かず。決勝進出の行方はPK戦へと委ねられる。先攻の筑波大は1人目がまさかの失敗。後攻の明治大1人目は確実に成功。ミスは許されない状況で、2人目のキッカーとして加藤がスポットへと歩みを進めていく。

 大きく深呼吸。助走は二歩。GKと逆側のゴールネットへボールを突き刺すと、右手で小さくガッツポーズ。GK佐藤瑠星(3年=大津高)を抱擁で励まし、あとはチームメイトにすべてを託す。だが、明治大は5人全員が成功。筑波大が期した1年と1日越しのリベンジは、果たせなかった。

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