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後悔しない歯科治療(2)安価なインプラント「一式10万円」の落とし穴

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年4月10日 9時26分

 虫歯などで歯を失ってしまった場合の主な治療方法として「ブリッジ」「入れ歯」「インプラント」の3種類がある。

 ブリッジは、失った歯の両隣にある歯を土台にして橋を架けるように中央の人工の歯を支える。

「ただし、土台にするために健康な歯を削って、銀歯をはめ込むことになります。銀歯なので、金属アレルギーのリスクや耐久性が低くて虫歯になりやすいといった問題もあります」とアイムスデンタルクリニックの今枝誠二院長は指摘する。

 一方、入れ歯は両隣の歯を削る必要がない。その代わり、両隣の歯に金属製のバネを引っかけて、中央の人工の歯を支える。前側の入れ歯だと、その金属が人目に触れてしまい、見た目がよくないというデメリットがある。

「入れ歯自体は歯茎に乗っているだけで、普通の歯の3分の1くらいの力でしか噛めません。また、食事をするとバネと歯の間に食べかすが残るので、その都度洗浄する必要があり、日常生活において不便さを感じることが多くなります」(今枝誠二院長)

 ブリッジ、入れ歯ともに保険が適用され、安価な治療費で済むが、そうしたデメリットを敬遠して保険適用外のインプラントを選択する人が増えている。インプラントは、あごの骨に埋め込むチタン製の人工歯根のことで、その上に人工の歯を固定する。

 インプラント治療で大切なのは信頼できるメーカーの製品を使用している歯科クリニックを選ぶことだ。世界的に信頼されているのがスイスのストローマン社のもので、1974年からの実績データが蓄積され、10年後の生存率は98.8%との報告がある。

「当クリニックも使用しています。メンテナンスを行っていれば50年は持つと考えています。治療費は基本1本当たり税別で35万円ほどで、その耐久年数を考えればコストパフォーマンスは高いのではないでしょうか」(今枝誠二院長)

 歯科クリニックのなかには「一式10万円」といったような格安を売り物にしているところもあるが、インプラントのチタン含有量を減らしている場合もあり、骨との接合が弱くて外れてしまうこともある。「安物買いの銭失い」になることは避けたい。

 インプラントを埋め込むため、あごの骨に深さ約1センチの穴を開けることになる。事前に3次元CTであごの骨に十分な厚みがあるかを確認するのは当たり前。最先端のインプラント治療では、CTのデータを基に、穴を開ける正確な位置をガイドするテンプレートを用いるようになっている。

「忘れてはいけないのが治療後のメンテナンスです。定期的に歯垢を取り除いて、インプラント周囲炎を予防することで、長持ちするようになるからです」(今枝誠二院長) =つづく

▽今枝誠二(いまえだ・せいじ) 2004年、東京医科歯科大学歯学部卒業。23年からアイムスデンタルクリニック院長に。著書に「現役歯科医が警鐘 こんな歯医者に行ってはいけない」がある。

(ジャーナリスト・伊藤博之)

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