アメリカで水道水が危機に…半分近くから危険な化学物質が検出(シェリーめぐみ)
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年4月14日 9時26分
【ニューヨークからお届けします】
アメリカの水道水の45%に、基準値を超える危険な化学物質PFAS(ピーファス)が含まれていることがわかり、衝撃を与えています。EPAアメリカ環境保護庁が発表しました。
有機フッ素化合物PFASは環境中で分解されず残り続けるため、「フォーエバー・ケミカル=永遠の化学物質」として知られています。体内にも蓄積し、肝臓や免疫系にダメージを与え、がんのリスクを増大させることがわかっています。
厄介なことにPFASは熱や水、油や汚れに強く、非常に高い強度があるため、コーティング加工のフライパンから防水の服、食品包装、化粧品やシャンプー、おもちゃなど、あらゆる日用品に含まれています。私たちの暮らしは、PFAS抜きでは成り立たないと言っても過言ではありません。
EPAは今回の発表と同時に、水道水中のPFASをほぼゼロに削減する規制を定めました。しかしそのためには、全米の水道システムで、炭素ろ過や逆浸透膜浄水システムを設置する必要があります。これがどのくらい速やかに実行されるのか、疑問の声も上がっています。
アメリカの水道は、インフラの老朽化や化学物質の混入により、常に水質汚染が大きな問題になってきました。ニューヨーク州北部のバッファローでは、古い水道管から鉛が溶け出し、多くの子供たちの血液中の鉛濃度が上昇しています。こうした古い鉛管は全米に広がり、1億8千万人が鉛汚染にさらされているという数字さえあります。
PFASに関しても、これまで自治体レベルで問題視されていたのが、今回ようやく国が規制に乗り出しました。ではなぜこれまで放置されて来たのか? 環境活動家は「利益を優先してきた化学業界に責任がある」と指摘します。
その化学業界が今後この規制に対して、法的な異議申し立てを行い、施行が遅れる可能性も懸念されています。
もしトランプ前大統領が11月に大統領選に勝利した場合、就任後にこの規制を弱めるか撤廃することも考えられ、アメリカの水道水からPFASが完全に除去されるまでには、まだまだいくつものハードルが予想されます。
(シェリーめぐみ/ジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
バイデン大統領とトランプ元大統領の健康状態は限りなく不透明(シェリーめぐみ)
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年4月30日 9時26分
-
バイデン米政権、アースデイに際し気候変動対策に係るファクトシート発表(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月23日 14時30分
-
社説:有機フッ素の規制 被害予防優先で取り組みを
京都新聞 / 2024年4月13日 16時0分
-
PFAS、飲み水の濃度基準決定 米環境保護局、世界的にも厳しく
共同通信 / 2024年4月10日 18時0分
-
中外テクノスはPFAS分析ソリューションを強化します。
PR TIMES / 2024年4月10日 12時45分
ランキング
-
1「おむつ交換台」から子ども転落 頭部骨折のケースも 国民生活センターが注意喚起
オトナンサー / 2024年5月1日 20時50分
-
2トイレ掃除を頼むと涙目…新人バイトはオーナー親族のお嬢様。いきなり辞めたが、意外な展開に
女子SPA! / 2024年5月2日 8時47分
-
3イオンモールで販売「シフォンケーキ」にカビ発生、5000個回収へ “下痢”の報告で調査中……出店企業が謝罪
ねとらぼ / 2024年5月1日 19時45分
-
45万8000人の移住希望者が選ぶ「移住したい都道府県」ランキング! 2位「鹿児島県」、1位は?
オールアバウト / 2024年5月1日 20時35分
-
5プロ野球新球団「くふうハヤテ」選手、度重なる無免許運転で退団 元ロッテ育成の谷川唯人
ORICON NEWS / 2024年5月2日 10時49分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください