80代の親が脊柱管狭窄症で歩けない…手術するかどうか悩んでいる【第一人者が教える 認知症のすべて】
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年4月23日 9時26分
そこで血圧があまり上がらない普通の速さでの海馬のアセチルコリンを調べると、増加していることが判明しました。
これらの研究から読み取れることは、無理のない歩行でも海馬のアセチルコリンが増え、海馬の血流が良くなるということ。高齢者では、記憶などの機能をつかさどる海馬で脳血流の低下が見られますが、それが歩行で改善できるかもしれないのです。歩くことは、脳の血流を良くするだけでなく、認知機能維持につながるさまざまな効果があります。フレイル(虚弱)やサルコペニア(加齢による筋量低下)を予防し、寝たきりリスクを低くします。
スーパーに出かけることひとつとっても、脳へたくさんの刺激を与えます。「歩いて買い物に行く」「スーパーで何を買おうか考え、妥当な値段のものを選ぶ」「店員さんや顔見知りの人と会話を交わす」などなど。
自分の足で歩けなくても車椅子などの手段はありますが、高齢で脚が痛くて歩けなくなった人では一般的に、自宅へ引きこもりになりがち。これが招く社会的フレイルが認知機能低下を引き起こすことは、広く知られています。
冒頭の80代の女性ではないですが、脊柱管狭窄症で歩けないようになっていて、それが治療で改善できそうなら、歩くことを諦めないでほしいと思います。
なお、「歩けなくなる↓認知機能低下」を今回取り上げましたが、「歩くスピードが遅くなる↓認知症の前兆」といったことを示した研究も行われています。歩行速度の低下と認知機能の低下について、次回取り上げたいと思います。
(新井平伊/順天堂大学医学部名誉教授)
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