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親が身につけるべき「正しい話の聞き方・伝え方」10原則~⑧⑨【「不登校」「ひきこもり」を考える】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月23日 9時26分

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写真はイメージ(C)iStock

【「不登校」「ひきこもり」を考える】#24

 ある程度、傾聴や共感を続けていると、お子さんの中には今まで溜め込んでいた熱い思いが喚起されてきて、「悪いと思っているならもっと詫びろ、過去を償え」といった攻撃が親に向けて吹き出してくることや、「自分のこれまのつらい気持ちを少しでも反省する気があるなら、あれを買え、これを買え」といった無茶な要求を突きつけてくることも珍しくありません。

 これは、小さなお子さんの“試し行動”のようなもので、基本的には親の共感は本人にとってはうれしいことであるのです。ただ、過去に散々期待しても報われず裏切られたという体験を重ねていることからどうしても猜疑心が拭えず、「ぬか喜びしてかえって傷をえぐられるような思いはもうごめんだ」「ハードルを上げても親が本気で向き合ってくれ続けくれるのか?」を確認したいという警戒心の為せる技だと理解できます。

⑧責められても“売り言葉に買い言葉”を避け、気の済むまで言わせる

 こういう時には、「親に向かってその口のきき方はなんだ」「謝ったって時間はもう戻らないじゃない」といったような“売り言葉に買い言葉”に陥らず、「そんなふうに思うのね」「だとしたらとてもつらいわね」といったように、とにかく「つらかった」という気持ちにひたすら傾聴と共感を続けていくことが肝要です。お子さんが「そんなことしか言えないのか」「もっと言うことがあるだろう」と畳み掛けてきても、気の済むまで言わせることが大切です。そして、どこかで本当に親は変わったと確信した時、安心できたお子さんは別人のように穏やかな顔を見せるようになるのです。

 また、「激しく怒っている人や攻撃している人は、困っている人や泣いて悲しめない人」という心理学の言葉があるように、本当は当の本人もいくら親が謝ったところで失われた時が戻ってこないことは百も承知なのです。それでも、「そんな理不尽なことを言わないと気が済まないほど、本来感じなければならない一次感情レベルでつらかったことを未だに深く心から悲しみきれない。そのために、執着も断ち切れず、喉元がつかえるような苦しさが抜けない」ということを理解し、本人が心の底から泣けるほどに気が済むまで共感を続けることが、本当の意味での解決なのです。

⑨「死にたい」と言われても正論で返さない

 わが子に「死にたい」と言われて、動揺しない親はいないでしょう。湧き上がる不安や動揺を、「親より先に子が死ぬなんて親不孝だ」「お願いだから死ぬなんて言わないで」などと、これも正論で返すような言動は無意味です。「死にたいくらいつらいんだね」「殺してほしいほど困っているのね」とひたすら傾聴・共感に徹しましょう。

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