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佐藤正宏さんが語る 母親の夏のナス漬けと冬の青菜漬けの思い出【私のおふくろメシ】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月1日 9時26分

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佐藤正宏さん(提供写真)

【私のおふくろメシ】

 佐藤正宏さん(タレント・俳優/65歳)

 今年で40周年を迎える劇団「WAHAHA本舗」の佐藤正宏さんのおふくろメシは山形ならではの漬物2種。昨年亡くなられたお母さんの思い出も語った。

 ◇  ◇  ◇

 山形県天童市の実家は大工をやっていて、母親は仕事を手伝っていたので普段は祖母が料理をしてくれていました。

 母親はそれほど料理上手じゃなかったのかな(笑)。でも、お弁当は彩りよく作ってくれてました。高校の時に友だちが私の弁当を見て「大名弁当」と名づけてくれましたから。その友だちの弁当に比べてウチのは品数が多かったんです。

 思い出深いのは漬物。まず夏はナス漬け。実家に畑というか、家で食べる分だけ育てる家庭菜園がありまして、とれたナスに塩と色をよくするためにミョウバンを加え、一晩漬けて出来上がり。かじると皮がパリンとしてナスのうまみが口に広がるんです。

ナス漬け、ご飯、ナス漬け、ご飯と交互に食べるとたまらなくうまい!

 夏場は冷めたご飯をザルに入れ、台所で水道を出しっ放しにしてザルにかけ、ご飯のぬめりを落とす。で、左手に持ったナス漬けをかじりながら、インド人がカレーを食べるみたいに指先で米粒をすくって食べるんですよ。

 井戸水だから、ご飯が冷たくなりナス漬け、ご飯、ナス漬け、ご飯と交互に食べるとたまらなくうまい! 今思えば貧しい食べ物ですねえ(笑)。手で食べるのが楽しくて夏の定番でしたよ。家族みんなして一緒にやることはなかったけど、僕らはそれを「水漬け」と呼んでいました。

 これを茶碗に入れて水漬けにしたら、ぬめりがとれないからダメなんです。流しの前に立ったまま水を出しながら食べるのがいい。行儀は悪いですけど。

 冬は青菜漬け。こちらも郷土料理で、青菜は漬物用の伝統野菜。形は白菜に似てるけど丈が70センチくらいで青くてね。地元では秋の終わり頃から山のように販売される各家庭の冬の保存食。

 まず日に干して、1回目は塩だけで漬けるんです。その後に味付けを加えて漬ける。味付けは醤油も入ってますね。

 ウチでは直径1メートル、深さも1メートルちょっとある漬物桶にいっぱいに漬けると、翌年の3月までもつ分量でした。

 外の物置小屋に漬物桶を置いておくんですが、寒い日に漬け込んだ青菜を取りに行くと、漬物桶の表面に浮いてる汁が凍っているんですよ。その氷を手で割り、重しの石をとって石の下の木の蓋をとり、冷たい青菜漬けを持って戻り、暖かい部屋で食べる。

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