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味のハーモニーは失敗「日韓料理」店、中国人が仕掛けたイメージだけの高級バイキング

Global News Asia / 2015年11月13日 0時8分

フィリピンの地方都市のショッピングセンター内の日韓料理店。豪華のシャンデリアの後ろには、串焼きの提灯があるが、串焼き料理は一品も無かった。行列の人気の秘密がわからない。フィリピンの人々は中国人経営者の思惑に引っかかってしまった格好だ。

 2015年11月12日、フィリピンでは、日本ではあまり耳にしない「日韓料理店」というカテゴリーのレストランがある。最近、地方都市のショッピングセンターにオープンしたバイキング形式の「日韓料理店」は、長蛇の列ができるほどの人気となっており、待ち時間も1時間以上と大盛況の大型店だ。さぞや、美味しいのかと期待するが、裏切られ感を強く抱く人が多い店だ。

 誕生日の人は無料になるため、お誕生日会としても使われている高級バイキングレストラン。夜の料金は1人599ペソ(約1600円)。現地の所得水準をベースにすると、日本の高級ホテルでのバイキングと同じ価格帯になる。

 店員によると「中国人のオーナーが、中華料理店は既に飽和状態にあり、韓国料理店も珍しくなくなっている。そこで考えたのがこれまでに無い「日韓料理」という複合新ジャンル。天ぷら、寿司、刺身、茶碗蒸し、味噌汁と、韓国の焼肉を中心に、タイ料理のトムヤムクンなど、多くの料理を楽しめる店にしました」と話す。また、オーナーは「日本と韓国が信頼関係を取り戻し、中国とともに発展していく願いを込めている」とも述べた。

 地元の日本化学メーカーに勤務する駐在員は「味噌汁や茶碗蒸しは、日本料理を修業した料理人が作っているとは思えない味で、日本食のハードルの高さを感じてしまいました。また、テーブルに置かれている宣伝物に写真が記載されている寿司の中心でもあるマグロの握りは置かれていませんし、提灯に串焼きとの表記があるものの、一品も用意されていないんです」と悲壮感を隠せない。

 なぜか、料理や食材が並ぶコーナーの頭上には、大きなシャンデリアが設置されており、日本酒の大樽もあり、日本のイメージを活用して集客しようとの姿勢が強く感じられる店舗だが。シュウマイや中国饅頭も、日本食と表記したプレートの下に置かれている。

 この店で初めて日本食に出会ったフィリピンの人たちに、本当の日本食を誤解されてしまうのは残念なことだ。ただ翌日も行列の人気で、なんとも不思議なレストランだ。
【編集 : 高橋大地】

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