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【ミャンマー】カレン州で復興支援事業の記念式典ー日本財団

Global News Asia / 2017年3月12日 18時11分

記念式典の様子。

 2017年3月10日、少数民族武装勢力との武力衝突が続くミャンマーで、日本財団が進める復興支援事業の記念式典が開かれた。

 式典が行われたのはタイ国境に隣接するカレン州のレイケイコー村で、少数民族武装勢力のカレン民族同盟(KNU)の影響下にある地域だ。

 会場にはアウンサンスーチー国家最高顧問が代表を務める国民和解平和センターのティンミョーウィン副センター長も出席した。ティンミョーウィン副センター長は日本の支援に謝意を述べるとともに「復興支援事業が成功すれば全国的なモデルになる。住民のニーズに応え、地域の発展、全国の発展に繋げていかなければならない」と和平と復興への決意を表明した。

 政府とカレン民族との闘争の歴史は長い。KNUのムトゥセポ議長は「カレン族がビルマ族を信じなければビルマ族もカレン族を信用しない。KNUは武器を持つのではなく、対話による紛争解決を考えてきた」と停戦合意までの道のりを振り返った。民族和平が現実味を帯びたのは前テインセイン政権の2015年10月。武装勢力15グループ中8グループが停戦合意に署名、カレン族も和平を望んだ。

 しかし、未署名グループではその後も紛争が絶えない。式典が行われた数日前にもシャン州で武装勢力が軍施設や民家を襲撃していた。

 ミャンマー国民和解担当日本政府代表・日本財団の笹川陽平会長は「残念ながら今も未署名グループが残っている。停戦合意によって明るい未来が感じられる復興の歩みを未署名グループに示したい」と未署名グループに向けて和平への理解を呼びかけた。

 停戦により紛争被害にあった地域には支援が可能となり、日本財団は食糧や医薬品の支援をスタート。さらに隣国タイに逃げていた避難民が故郷に戻れるよう、家屋や学校、クリニックといったインフラ整備も実施。家屋1250軒をはじめとしたインフラ整備の第一弾が概ね完成したことを受け、式典が行われた。

 復興支援事業で建設された家屋には1月末から避難民が住み始めている。タイ国境の都市メソットにある難民キャンプから帰ってきたシャンコさんは「タイでは不法滞在だったので、警察に怯えて暮らしていた。自国で暮らせることで心の安心感がある」と喜びの言葉を漏らした。

 復興支援事業ではすでに第二弾の協議も始まり、今後さらに大規模な取り組みが実施されていく。
【編集 : FF】

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