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〈結論〉新NISAの非課税枠は「最速5年で使い切るのが有利」である理由【資産8,000万円のサラリーマン投資家が解説】<br />

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年2月29日 12時15分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

株は値動きがあまりないことも多いですが、こうした凪(なぎ)の状態や値下がり局面でもキープしていられるかどうかは投資家の精神力にかかっています。また、非課税枠を「コツコツ埋める」か「最速で埋める」か、どちらの意識を持つかでも資産増加のスピードは変わります。本記事では『新NISAはほったらかしが9割』(双葉社)から著者の長田氏が、新NISAで資産形成するにあたって必要なメンタルや非課税枠の使い方について解説します。

恒久的な新NISAでは「揺れないメンタル」が一層重要に

新NISAが今年1月から始まり、日本人の個人投資家にとって資産形成の大チャンスがやってきました。しかし、これまでの一般口座での取引同様、投資する際にメンタルが大切なことは変わりません。いや、これまで以上に大切になったとも言えるでしょう。

自著『株はメンタルが9割』でも書きましたが、株式投資にあたってはメンタル(投資家心理)が非常に重要な要素になっています。たとえばAという同じ銘柄を同じ株価で購入した場合でも、儲かる人と損する人がいるのはなぜでしょうか。

株価というのは常に上下に動いています。その銘柄がいかに良い銘柄であろうとも、一方通行で順調に値上がりしていくケースは非常に稀です。ときに投資家を振るい落とすかのように値下がりしたり、ほとんど値動きがない凪の状態に留まっていることもあります。

いえ、株というものは値動きがあまりない、じりじりとした状況のほうが多く、順調に値上がりするケースのほうが少ないのです。そうした凪の状態や値下がり局面で持っていられるかどうかは投資家のメンタルにかかっています。

その銘柄のファンダメンタルズ自体(業績、将来性など)に変化が生じているならばともかく、有望銘柄である確信を持っているならば、株価の揺さぶりに心まで揺れてしまっては勝てる投資家にはなれません。

株式の有名な名言に「株の利益は我慢料」という言葉がありますが、株価の動きに惑わされずに我慢して持ち続けられるかどうか、それはひとえにメンタルにかかっているのです。私はよく「投資家脳」という言葉を使いますが、“勝てる投資家脳”になれるかどうかはメンタルがどうあるかにかかっています。

一般口座での投資はもちろんですが、新NISAではメンタルがさらに重要になります。今までのNISAの期間限定(5年間)の非課税枠と異なり、恒久的な非課税口座で投資しているのですから、有望銘柄を購入したら慌てずにじっくり構えて保有して利益を得ることが肝心です。そのためには投資家として目先の動きに惑わされない、“揺れないメンタル”を持つことが大事なのです。

非課税枠は「なるべく早く使い切る」ほうが有利

新NISA投資をするにあたって、メンタル面でもう一つ知っておくべき大事なことがあります。それは「非課税枠をなるべく早く使い切る」ということです。

具体的にいうと、新NISAの非課税枠「成長投資枠1,200万円(つみたて投資枠含めて1,800万円)」を、年間投資枠「360万円」まるまる使った最小期間の5年間で使い切ったほうが資産形成には有利に働くのです。

新NISAをきっかけに株式投資を始める人はもちろん、すでに株式投資を行っていた人の場合でも、これまでどんなスタンスで株式投資をしてきたにしても、新NISA時代は18歳以上の成人に割り当てられた一人当たり非課税枠1,800万円分をなるべく早く使い切り、一生涯かけてなるべく長く新NISA枠を使うという投資スタンスが有効です。

投資の世界に絶対はありませんが、課税枠と非課税枠で同じ金融商品に投資した場合には、非課税枠で投資したほうが絶対に有利です。株式や投資信託の売買益、保有中にもらえる配当金は、非課税のほうが確実に金額が多くなり、資産が増えるからです。そして非課税口座の資産額が増えれば増えるほど違いは顕著になってきます。

たとえば資産額(投資資金)180万円と1,800万円では、同じ銘柄(インデックスファンド等も含め)を保有(購入)して受け取る配当金の額は10倍も違います。つまり非課税枠いっぱいの1,800万円を使い切ったほうが10倍の速さで資産が増えることになるのです。

これは一例にすぎませんが、非課税枠をフル活用したほうが資産形成にとって断然有利なことはわかると思います。また、今までインデックスファンドの積立投資だけをしてきた方は、今までとさほど変化させる必要はありませんが、個別株を売買している人も、新NISAで非課税枠投資をするのであればインデックスファンドの積立もやったほうが当然有利になります。むしろ必須になってくると言ってもいいでしょう。

成長投資枠をフルに使っても1,200万円までですが、つみたて投資枠も利用すれば1,800万円まで投資できるのですから、この600万円の差は資産形成に大きな差となります。

これらの点を意識して、新NISAの非課税枠をうまく使えば、これまで以上に資産形成のスピードが上がります。一方、非課税枠の意味を考えずに、今まで通りのトレードでその枠を消費してしまったら何の意味もありません。

非課税口座をできるだけ有効活用するというメンタル(意識)を持てば、自然と取るべき戦略も定まってきます。新NISA非課税口座内に資産が増えるほど、「非課税枠で投資をすると資産形成というゴールに着実に近づくことができる」という強い信念が育ってきます。

そうなれば半分、資産運用の目的は達成したようなものです。資産が増えてくれば、複利と追加入金で資産額が増えることがわかるので迷いがなくなります。もちろん、買い方や売り方、銘柄の選定、目標設定など個別の場面で考えることはありますが、大前提として「非課税枠は早く使い切ることが資産形成の早道」という意識で株式投資をしていきましょう。

長田 淳司

サラリーマン投資家

※本記事は『新NISAはほったらかしが9割』(双葉社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

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