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非課税枠のムダ使い・損失拡大のリスクも…新NISAで「ヘタにやってはいけないこと」【サラリーマン投資家が助言】<br />

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月4日 7時15分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

株式投資では当然のことながら「買った株が下がること」もあります。その視点に立つところから株式投資が始まるといっても過言ではありません。そこで本記事では『新NISAはほったらかしが9割』(双葉社)から著者の長田氏が、株が下がったときの「3つの対処法」の効果とリスクについて詳しく解説します。

株が下がったときは「追加」「様子見」「撤退」から選択

株式投資は「買った株が下がることが当然ある」と考えることから始まります。

故アントニオ猪木はかつて試合前のインタビューで「出る(闘う)前から負けること考えるバカがいるかよ」という名言を残していますが、こと株式投資に限っていえば、まったく逆です。戦う前から負けることを考えないのはバカヤローなのです。

では株価が下がるときの対処法とは何かといえば、追加購入、様子見、撤退の3つです。

投資家はどの選択肢を取ってもいいのですが、事前にプランを立てておく必要があります。事前に下がったときの対処法を考えておき、その通り行動することで感情的に売買することを防ぐことができます。

感情的になると、どうしても冷静な判断ができません。

冷静な精神状態であれば、株が下がったときにも慌てずに最適な対処ができますが、感情的になってメンタルがブレた状況では、追加購入すべき場面で逆に売ってしまったり、売らなければいけない場面で逆に追加購入して墓穴を掘ったりと、正しい投資行動を取れません。

そうした感情に揺さぶられる取引をしないためには、「買った株が下がる」ことを念頭に置いて、最初から下がったときの対処プランを立てておくことです。

プロの機関投資家ですらも、感情的な取引をしてしまうことがあります。新型コロナ禍が本格化し、自粛が求められる状況の下で機関投資家は国債を大量に買い込み、株式を売る動きが強まりました。

後から考えると当時の利回りが低い水準(価格が高い)で国債を購入するのは、リスク・リターンの面から「割が良くない」というのは冷静になればわかることです。

しかし当時の混乱状況とコロナへの先行き不安が広がっていた中では、プロである機関投資家も冷静さを欠き「とにかく安全策を取ろう」としてしまい、その結果、株式を売り、リスクのある利回りが低い(価格が高い)国債を大量に買ってしまったわけです。

皆さんもご存じの通り、その後株価は戻し(コロナ前より高値となり)、逆に国債は世界的なインフレが続いていることで下落し続けています。特に体力のない地銀をはじめ、金融機関は高値で掴んでしまった国債の評価損に苦しんでいるのです。

プロ中のプロである機関投資家でさえそうなのです。

我々個人投資家は一人で投資していますし、日々のニュース、私的な出来事などで冷静に投資ができなくなることはままあります。株が下がっているときは、どうしても気持ちも沈んでしまい感情的な行動をとってしまいがちです。

ですが、株式投資をしている限りは下落相場への向き合い方を学ばなければいけません。株が上がっているときは誰でも勝てますが、下がっている局面で「損切り・買い増し・様子見のいずれの選択を取るか?」を考えていくことが大切です。

特に新NISAでは非課税投資枠を意識しながら投資することになるので、買い付ける銘柄の選定から追加投資、売却にわたり、戦略に応じたスタンスを確立しておくことが将来的な資産増加につながります。

ヘタなナンピンするべからず

どんなに銘柄選択で有望銘柄を探し出して買ったとしても、株式投資ではすべての銘柄が値上がりするわけではありません。有望だと目星を付けた銘柄でも値上がりしないどころか値下がりすることも珍しくないのです。

そこで見切りをつけて損切りできればよいのですが、なかなか簡単にはいきません。損切りするには勇気ある決断が必要だからです。

下げた銘柄を保有しているだけならまだしも、損失を取り返そうとして“ナンピン”してしまうケースがあります。

ナンピンとは“難を平らにする”という意味で、値下がりした銘柄を買い下がる(追加購入する)ことで平均買い単価を下げることです。

たとえば1,000円で100株購入した株を500円でナンピン(追加購入)すると平均コストは「750円」に下がるのですから、長期投資でコストダウンを図るにはうってつけの方法です。

平均コストを下げつつ持ち株数を増やす有効な手法のナンピンですが、この手法を使う際には気をつけないといけないことがあります。

事前に買い下がることを目的とした計画的な分割売買ならばいいのですが、そうした意図もなく、ただ感情的になって「負けているから取り返そう」という気持ちで行うナンピンは危険です。損失を回避するどころか、さらに傷口を広げて大きな損失を発生させてしまうこともしばしばあります。

特に旬の話題に乗って値上がりしたテーマ株は、いったん上昇の勢いがなくなり下落し始めると、再度上昇に転じるまでに時間がかかることが多いもの。「ひと相場終わった銘柄」として市場で見なされるために、資金がなかなか入ってきません。

それどころか、高値を買ってしまった投資家からの見切り売りが出るために売り圧力が強くズルズルと下がっていくケースが多いのです。株式投資にナンピンは付き物ですが、ヘタなナンピンは損をさらに膨らませてしまうのです。

一般口座でのナンピンはまだしも、新NISAでは非課税枠に制限がありますから下がった銘柄を追加購入する際には特に注意が必要です。

購入当初からのプランで、下がることも念頭に置いて「下げたら追加購入しよう」と計画してあるナンピンはいいのですが、感情的な無計画のナンピンは非課税枠も無駄に使うし、かつ損失も増えるという最悪のパターンになってしまいます。

新NISAでは一般口座以上に追加購入(ナンピン)にはくれぐれも注意しましょう。

特に値下がりしている銘柄が成長株のときには要注意です。需給などの株価のリズムで下げているならまだしも、その銘柄(企業)の成長性に変化が生じて売られているなら“撤退”です。自分の見込みと違って成長性が失われてしまったときは躊躇せずにポートフォリオから外す(売る)べきです。

自分の予測と違ってしまったら躊躇なく損切りする。新NISAで非課税措置が無期限だからと「いつか上がるだろう。それまで売れずに待とう」などといつまでもマイナスを抱えているより、失敗は失敗と処理したほうがすっきり楽になれます。

一般口座はもちろん、新NISAでも、たとえ損失が出ようとも損切りできることが大事です。その損切りが次の投資の糧になります。

長田 淳司

サラリーマン投資家

※本記事は『新NISAはほったらかしが9割』(双葉社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

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