〈新NISA〉暴落で「得する人」と「損する人」の決定的な違いとは?…資産を増やすため勇気を出して行うべき「下落時の対応」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年3月7日 12時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
株というのは「上がると買いたくなり」「下がると買いたくなくなる」ものですが、その考え方では儲けを手にすることはできません。本記事では『新NISAはほったらかしが9割』(双葉社)から著者の長田氏が、暴落時にとるべきスタンスと新NISAの活用法を詳しく解説します。
相場には「1年に数回の調整」「5年に1回の暴落」が訪れる
株式投資でつき合わないといけないのが、市場の下落局面です。中でも市場が激しく下落する暴落は株式市場にはつきものです。株価が上がっているときには一日に何度も株価を見たくなるものですが、暴落しているときは見たくなくなるものです。
株価は通常であれば、その企業(銘柄)の収益性や成長性から見て、買い方と売り方の価格バランスが取れている位置でおおむね株価が推移しています。しかし、経済にマイナスとなるショックが発生したときには、一時的にその需給バランスが崩れます。恐怖心に負けて安値で手放してしまう投資家や、現金を確保したいという売り手の勢いが強くなるので、取引が成立する価格(株価)が安くなります。
こうしたショック安による市場全体の暴落時には、個々の銘柄の事情より市場全体の事情が優先しますから、たとえどんなに業績のいい銘柄だろうとどの銘柄も一斉に売り込まれてしまいます。
たとえば近いところでいうと、2020年3月から世界市場を襲った新型コロナショックによる大暴落が挙げられます。米国市場をはじめとする世界市場は大暴落。日本市場も連日の大暴落で下げ止まる気配も見せず、まるで底なし沼に飛び込んだような恐怖に陥った投資家がほとんどでしょう。
あまりの恐怖に耐えきれずに持ち株を売り飛ばして損切り。しかし、結果的にはそこが大底で下げ止まり、その後の上昇局面では「またいつ下げるか」という恐怖感から手が出せずに、売ってしまった株の値上がりをただただ悔しい思いで見ているだけ。そんな方も多かったのではないでしょうか。
結果的に見ると、コロナショック大暴落で売っていない、あるいは買っていれば、その後の株価上昇で利益になっていたのです。コロナショックによる大暴落は極端な例としても、株式市場では“1年に数回”は「調整」という名の下落局面が来るものです。
そして“5年に1回”程度の割合で、いわゆる「〇〇ショック」と呼ばれるような大きな暴落が襲ってきます。どうやらそれが相場のリズムのようで、振り返ってみればおおむね“1年に数回の調整”“5年に1回の暴落”が来ているのです。
「リスクの裏のチャンス」に目を向けた者が勝つ
では、“暴落”という投資家にとって恐怖イベントに遭遇したときにどうすればいいでしょうか? 普通なら「暴落は危険」と捉えますが、逆に「暴落は大チャンス」として捉えるのです。このメンタルの切り替えが重要です。
コロナショックは歴史的な大暴落にしても、ほぼ毎年、1年に数回は必ず“調整”という名の下落局面があります。そこで“下げの恐怖”に負けてしまっては、いつまで経っても株で資産は築けません。恐怖心はいったん置いておいて状況を冷静に分析してみることです。
どんな大暴落でも株というのはいつか底を打つものです。それは今までの歴史が証明しています。暴落の最中は“この世の終わり”のようなニュースばかり溢れて、そちらにばかり目が行ってしまいますが、冷静に見ればいつか暴落も終わって、底打ちした後は反転上昇するものです。
それは“リーマンショック”“コロナショック”など、今までの歴史が証明しています。“暴落”という目先のリスクだけを見てはいけません。リスクの裏にあるチャンスに目を向けてください。“リスクの裏にチャンスあり”です。
不思議なもので株式というのは「上がると買いたくなり」「下がると買いたくなくなる」ものです。狙っている銘柄の株価が上昇し始めると「このままどんどん上がってしまうんじゃないか」「買えなくなったらどうしよう」と不安になり、つい高い値段で買ってしまう。逆に株価が下がると「このままどんどん下がるんじゃないか」と怖くなって買えなくなる。それが一般的な投資家心理です。
これがたとえば狙っていたブランド品の洋服などの商品だとどうでしょうか? 値段が高いときには「もう少し安くなるまで我慢しよう」と思い、もしバーゲンセールなどで値段が下がることがあれば喜んで買うでしょう。ところが株式だとまったく逆の行動を取ってしまうのです。
株式も一つの“商品”と考えれば、取る行動は一緒のはずです。いい銘柄が安くなれば買い、高いときには安くなるまで待つ。そう考えれば暴落は株式にとっての“バーゲンセール”。喜んで買っていいはずです。
暴落(下落)は怖がって“売る”のではなく、チャンスと捉えて“買う”のです。
キャッシュポジションを作って「暴落=チャンス」を待とう
株価が市場要因(経済的外部要因など)で一斉に売られる暴落時こそ、新NISAの出番です。株価がショック安で下がっている場面でこそ、安い値段で仕入れて(購入)じっと値上がりするのを待っていればいいのです。
好都合なことに新NISAは非課税期間無期限。旧NISAのように「5年以内に売らなければ」などと保有期間を気にする必要がないのですから、じっくり持って値上がりを待つスタンスでいいのです。業績の良い銘柄に狙いを絞って、全体安につられて株価が値下がりしているところを仕込めば、安心してじっくり保有することができます。
往々にして、業績のしっかりした銘柄は、暴落が落ち着き市場が安定を取り戻すと元の値段に戻るのも早いものです。買い値を上回って利益(含み益)が出れば、より余裕を持って保有することができます。1年先……いえ、2年、3年、5年先を見据えた長期投資であれば、値下がりしているときに買えば、あとで何倍にもなって返ってきます。
暴落時は“株のバーゲンセール”の真っ最中です。お買い得になった良い株を安く買ってしっかり儲けるチャンスです。暴落時や急落時のように市場に恐怖心が広がって、みんな売りたいときこそ儲けるチャンス。そう考えれば“買えるメンタル”になるはずです。
そして暴落時のような下落局面で投資できる個人投資家は強いのです。機関投資家のように年間の時間軸に捉われることがありませんから、新NISAで買ってじっくりと回復を待つことができます。じっくり待って大きく増やしましょう。そうしたチャンス場面を逃さないように、新NISA枠でいつでも買えるように資金に余裕を持たせておきましょう。
いつでも暴落時に悠然と買いを入れることができるようなキャッシュポジションをある程度作っておきたいものです。
長田 淳司
サラリーマン投資家
※本記事は『新NISAはほったらかしが9割』(双葉社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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