「株の買い時がわからない」…悩むならとにかく「100株買う」ことから始めるべき納得の理由【サラリーマン投資家が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年3月14日 12時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
狙っている銘柄があっても、最適な「買い」のタイミングを見極めるのは至難の業です。あのとき買っておけば……という後悔を無くすためには、どうすればよいのでしょうか。本記事では『新NISAはほったらかしが9割』(双葉社)から著者の長田氏が、買いのタイミングを逃さないために投資初心者が知っておくべき購入のコツを解説します。
素人がベストなタイミングで買うのは「まず無理」である
「狙っている銘柄をいつ買えばいいのか?」
これは難しい問題です。タイミングを計って買えばいいとはいえ、ベストな買いタイミングで買うことなど我々のような素人一般投資家にはまず無理だからです。
投資先の銘柄を探していて、「これは良さそうだ」という銘柄を見つけたら、100株でも購入しましょう。
もし株価が高く投資資金が増えてしまいそうなら100株ではなく、1株、10株といった単元未満株でもかまいません。新NISAでは単元未満株も投資対象になっているのです。
株式投資をしていると、最初の100株をいつのタイミングで購入するのがいいのか迷い、結局買えない人がいます。上がる見込みはあるものの、それと同じぐらい将来に対して不安や懸念材料があるのが株式投資です。
その不確実性が時間の経過とともに“確実”になることが明らかになると、株価がその確実性を株価の上昇という形で織り込み始めます。
そして業績が良いことが誰の目にも明らかになった頃には、十分株価に業績の良さが反映されてしまっているのです。
「有望な銘柄だな」と思いつつも、しばらく買うことができずチェックをしている間に株価が少しずつ上昇していくことがよくあります。最初の100株を購入することができない人は、上がりだしてもまだ購入することができません。
前の安値を覚えているので、その値段から比べると高くなってしまったので買えないのです。こうした人は安くなっても「まだ安くなるんじゃないか」という気持ちが先だって買うことができません。結局上がるにしろ下がるにしろ、いつまでも買えないままです。
「なぜあのときに買わなかったんだろう」「買っていれば今頃10万円は儲かっていたのに……」
こうした後悔をなくすためには100株だけでも買ってみましょう。
100株だけでは上がったとしてもあまり儲からないかもしれません。しかし「儲かる銘柄に乗ることができた」という成功体験が積み上がります。逆に損をしても100株だから大した金額ではありません。
新NISAは非課税枠が決まっているからと慎重になりすぎず、「これは良さそうだ」と思う銘柄を見つけたら、まず100株だけ買ってみることです。
もちろん購入にあたっては、自分なりに銘柄分析をして、銘柄に対する確信が深まった時点で購入することは忘れないでください。
100株買うだけで、たくさんのメリットが得られる
100株購入するメリットは他にもあります。
人間の脳は、興味関心があるものについてはさらに情報を得ようとして、そうではないものについては目に入っても耳に入っていても情報として処理されません。
あまりに普段の生活で五感から入ってくる情報が多いために、必要ではない情報はインプットしないようにできているのです。子どもがいない人は子どもが周りにいても存在に気がつきませんし、肩こりに悩んでいない人には整骨院の看板は目に入りません。
株式投資でも同様に、保有していないと興味関心がわかないものです。
軽い気持ちで100株は手付の気持ちで買ってみるのです。100株でも購入することで自然とその銘柄について調べる気持ちがわいてきます。街角でふと目に入ったその会社の新商品、広告も目に入ります。
少し購入するだけで、その銘柄の調査をするにも本腰が入るというものです。推しのアイドルができると、少しでも多くの情報を得るためにテレビの出演情報、ライブ日程、SNSでの配信をつぶさにチェックするようになるのと同じように、株式投資でもその会社の製品やサービスを身近に感じますし、TVCMで流れているのを見ても興味がわきます。
株価の値動きに注目するようになりますし、配当金の額についても調べるでしょう。株は買ってみなければ始まらないのです。
特に今年2024年から株式市場には株価が上がりやすい追い風状態がそろっているので投資のチャンスといえます。
折からのインフレが継続して、モノ・サービスの価格が上昇しやすい状況になっていることに加えて、日本取引所グループが打ち出した東証プライムを頂点とした低PBR状態解消要請、アクティビストの投資、新NISAのスタート、円安による大企業の利益かさ上げ効果などがあるため、少しでも投資してその流れに乗っていくことも大切でしょう。
アクティビストとは“物言う株主”とも言われるファンド(大口機関投資家)のことで、有名なアクティビストには旧「村上ファンド」などがありますが、企業の株式を大量に保有し、株主として経営陣に株主還元を求めたりします。
近年では企業に対し、自社株買いの実施や配当金の増額など株主価値の向上を求める動きが活発化しています。
東京証券取引所が上場企業に要請している「株価純資産倍率(PBR)の改善」もアクティブファンドにとって追い風となり、今後ますます“物言う株主”のアクティブファンドの存在感が増していくことでしょう。
これは個人投資家にとってもチャンスであり、特に低いPBR銘柄への投資は注目されます。
新NISAという個人投資家にとって最大のメリットとなる制度が開始されたうえに、株式市場にとって様々な追い風が吹いているのですから、株価が上昇した後に「何であのとき買わなかったんだろう……」と後悔する前に、狙いをつけた銘柄はまずは100株買ってみる。その投資スタイルを確立しましょう。
長田 淳司
サラリーマン投資家
※本記事は『新NISAはほったらかしが9割』(双葉社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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