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社会保険料を減らせるだけじゃない!マイクロ法人の設立で得られる「驚きのメリット」【税理士が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年3月15日 11時45分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

「収入が増えたのはいいけれど税金が気になる」とお悩みの個人事業主の方はいませんか? 解決策の1つとしてご紹介したいのが「マイクロ法人」をつくること。個人事業主でありながら法人をつくることで、税金を軽減する方法があるのです。本記事ではマイクロ法人の税金メリットを辻哲弥氏(税理士法人グランサーズ代表社員)が分かりやすく解説します。

マイクロ法人の設立にはさまざまなメリットがある

副業ブームやクラウドソーシング等の普及もあり、複数の収入源を持つ方が増えてきています。個人での収入が増えてくると、気になるのが税金の負担です。そこで知っておきたいのが「マイクロ法人」です。

マイクロ法人とは、ずばり「ひとりだけで運営する小さな法人」のこと。実はマイクロ法人を設立し、個人事業と法人を両方持つことで、税金を減らして手取りを増やせるという見逃せないメリットがあるのです。

マイクロ法人の設立で得られるメリットを細かく分けると、下記の5つになります。

【マイクロ法人の主なメリット】

・社会保険料を削減できる

・所得税・住民税を節税できる

・役員社宅で経費にできる

・消費税が免税になる

・10年間の赤字繰越ができる

この中でもっとも大きなメリットは、連載第1回で解説した「社会保険を削減できる」ことですが、今回は「所得税・住民税を節税できる」「役員社宅を経費できる」「消費税が免税になる」「10年間の赤字繰越ができる」という4つのメリットにフォーカスをあてて解説していきましょう。

所得税・住民税を節税できる

マイクロ法人を設立して、個人と法人で税金の負担を分散させることによって、所得税・住民税が軽減できます。なぜなら、個人事業主と法人役員給与で両方の控除を受けられるようになるからです。

・個人事業主 → 青色申告控除(65万円) 

・法人→ 給与所得控除(55万円以上)

このように、2つの控除が受けることにより、課税所得を減らし所得税・住民税を節税することが可能になるのです。仮に「法人成り」して法人の一つに絞ってしまうと、個人事業主としての控除はできなくなります。それを考えると、個人と法人の両方を持つことのメリットは大きいといえます。

ちなみに、年間の役員報酬が仮に年54万円(月4万5千円×12カ月=54万円)であれば、給与所得控除の55万円以内に収まるので、役員報酬で受け取った54万円に関しては所得税・住民税がかからないということになります。つまり「税金ゼロ」ということです。

このメリットを有効に活用するためには、マイクロ法人ではあまり大きな売上をつけず、年間売上80~90万円位の小規模な事業を行うことがおすすめです。

自宅を役員社宅にできる

会社が住宅を借りて、その住宅を社長などの役員に社宅として貸し付けた場合、支払った賃料と受け取った賃料の差額を会社の損金とすることができるという仕組みがあります。これは、1人社長のマイクロ法人でも可能です。

個人事業主が自宅兼事務所で仕事している場合、家事按分(※)して、事業で使用した面積や時間の割合で経費計上できますが、マイクロ法人で役員社宅にすれば、より多く経費にできます。

(※)自宅と事務所を兼用している場合に、家賃や光熱費の一部を経費計上するために行う計算方法

具体的には、賃貸物件をマイクロ法人で契約することで「社宅」として使用するのです。すると、少なくとも家賃の50%以上を経費に計上できることになります。

消費税が免除になる可能性がある

事業の売上が1,000万円を超えると、翌々年から消費税の課税事業者となり、消費税を払う必要があります。

しかし、新設法人(資本金1,000万円以下)については、設立2期目までは売上に関係なく消費税の納税義務が免除されます。また、3年目以降でも、年間の課税売上高が1,000万円以下の場合、2年後の年度は原則として消費税の納税義務が免除されます。

したがって、売上を個人事業主と法人に分散することにより、新設法人は2年間消費税免除を受けられ、個人事業の方でも課税事業者になることを回避できる可能性があります。インボイス制度により恩恵は多少薄まりましたが、ある程度利益が出ている人にとっては、このメリットはかなり大きいといえるでしょう。

10年間の赤字繰越ができる

法人は、個人事業主よりも欠損金を長く繰り越すことができます。また、赤字が発生した翌年度以降に黒字になったとしても、前年度の赤字額と相殺して法人税の計算ができます。そのため、繰越欠損金があった場合には黒字となった利益分を相殺でき、法人税の節税が可能となります。

この欠損金の繰越期間については、個人事業の場合は最高で3年ですが、法人は10年間に渡って繰越を行うことができるのが特徴です。7年間も差があるのは、かなり大きいといえます。

法人の方であえて利益を出さずに赤字を積み上げていって、のちに法人でビジネスを拡大していった時に、長期間に渡って黒字と相殺して法人税を節税する、という使い方も可能です。

ここまでご紹介したとおり、マイクロ法人にはさまざまなメリットがあります。ただし、法人維持コスト、事務コスト等のデメリットもあるため、メリットとデメリットの両方を理解しておくことが大切です。次回は、デメリットについて解説していきたいと思います。

辻 哲弥

税理士法人グランサーズ

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