俺が主夫になろうか?月収33万円・30代の専業主婦世帯、妻、夫のひと言に激怒「ふざけるな!」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年3月19日 7時15分
「優遇され過ぎ!」「公平だ!」などと、バッシングを受けることが多い専業主婦。さらに味方であるはずの夫から批判されることもあり、思わず「ふざけるな!」と言ってしまうようなことも。みていきましょう。
専業主婦はズルい!といわれる理由
「(パート勤務含め)専業主婦はズルい」とはよくいわれるもの。これは「第3号被保険者制度」によるもので、制度が始まったのは1986年4月。専業主婦世帯が共働き世帯よりもだいぶ多かった時代で、女性の年金権を確保することを目的に、厚生年金の被保険者の配偶者を国民年金の強制適用の対象としました。しかし現在、共働き世帯が1,000万世帯を超えるなか、専業主婦世帯はその半分程度。共働き世帯が優勢となり「時代にそぐわない制度」として、見直しや廃止が議論されるようになったのです。
制度の問題点としては大きく4つ。
1. 共働きや単身世帯、片親世帯と比べ、専業主婦世帯を優遇している
2.パート労働者等の就業調整の原因となっている
3. 高収入世帯の専業主婦は保険料負担能力を有しているが、保険料を支払わないのは不公平である
4.働けないのでなく、自ら働かない第3号被保険者の分まで保険料を払わなくてよいのは不公平である
特に不公平感が強いのは3と4に関して。第3号被保険者の年金保険料は第2号被保険者全体で支える仕組み。総務省『2023年 家計調査 家計収支編』によると、専業主婦世帯の平均月収(勤め先収入)は53万5,976円、共働き世帯の平均月収は69万0,701円。共働き世帯のほうが1.3倍の収入があります。
一方で、専業主婦世帯(年収の壁を超えずに働いている、パート妻世帯も含む)の場合、 保険料は月1万6,520円(令和5年度)。年間換算すると19万8,240円を、第2号被保険者全員で払っているということになります。
――おれは独身なのに、なんで他人の妻(夫)の分まで保険料を払わないといけないんだ!
――なんで働いていない人の分まで、保険料を払わないといけないんだよ!
専業主婦世帯が少数派となったいま、そんな不平・不満の声が大きくなって聞こえてきても、仕方のないことかもしれません。
家事・育児の分担で「うまくいく」理由/「うまくいかない」理由
そんな何かとバッシングされる専業主婦世帯。せめて夫は味方であってほしいものですが、そうとは限らないのが夫婦関係。
――いいな、専業主婦は。交代してほしいよ
夫婦喧嘩の際に、夫から投げかけられた言葉にブチギレたという、30代の専業主婦。夫は同い年で、子どもは1歳と3歳のふたり。夫の給与はいたって平均的な水準だといいます。30代の平均的な給与であれば、月収で33.5万円、年収で560.0万円ほど。子どもの教育費やマイホームの実現を考えると、下の子がもう少し大きくなったら、正社員として仕事に復帰したいと考えているといいます。
ただ子育ても、特に手がかかる時期。ときに家の中はまるで泥棒が入られたような状態になることもあるとか。そんな状態で夕飯の準備をしているところ、夫が帰宅。
――圧倒的に家にいる時間は長いのに、この荒れ具合、どうなっているんだよ!
仕事で大変なことでもあったのか、いつもよりも短気な夫。帰宅早々、怒り出し、最終的に冒頭の言葉を吐き捨てたといいます。女性も「ふざけるな!」という言葉が口から出かかりましたがぐっと抑えて、とりあえず、夫と子どもにご飯を食べさせて、掃除や洗濯をしたといいます。
――ずっと家にいたとしても、家事や育児は大変なんだよ!
――本当に代わって、家事や育児、やれるの⁉ できないでしょ、どうせ
煮えくり返るような怒りは、しばらく消えなかったといいます。
エン・ジャパン株式会社/「ミドルの転職」が、35歳以上のユーザーを対象に行った『子育て期の家事・育児分担実態調査』によると、未就学・小学生の子どもをもつ家庭における、家事・育児分担割合は「男性3割/女性7割」が最多 で、男女で格差はあるものの、女性に偏る家庭は過去との比較で12ポイント減となったといいます。家事・育児に携わる夫は、確実に増えています。
一方で家事・育児の分担割合について、半数が「ちょうど良い」と回答し、男性のほうが「ちょうど良い」と感じる傾向が強いといいます。男性のほうが「俺、十分やれてる」と感じる傾向があり、この意識の差が、夫婦喧嘩の火種となります。
そして家事・育児の分担がうまくいかなかった理由として、最多は「家にいる時間の長い方が家事・育児を多く担う」で47%。一方でうまくいった理由としては「お互いの得意不得意を把握し、家事・育児を分担する」が最多で52%でした。
――家にいる時間は長いんだから
――どうせ時間あるんだから
――おれは働いているんだから
ついつい「夫」→「妻」に言ってしまいがちな、こんな言葉。このような意識では、家事・育児の分担はうまくいかず、夫婦喧嘩の火種になることが調査結果からも分かります。「お互いの得意不得意をカバーする」という、成功の秘訣を真似して、夫婦円満を目指したいものです。
[参考資料]
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