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中学受験はやめておけ…「300万円かけて合格」は“重課金コース”の始まり。高校卒業までのリアルな課金総額

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月18日 12時0分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

東大も医学も高校受験ルートで十分…。そう提言するのは、SNS受験総合研究所(以下、じゅそうけん)氏。高学歴1000人以上へのインタビューや独自リサーチで得た情報を日々発信し、SNS総フォロワー数は10万人を超えています。なぜ高校受験ルートで十分なのか? その理由の一つが、中学受験にかかる教育費です。じゅそうけん氏の『中学受験はやめなさい 高校受験のすすめ』(実業之日本社)より一部を抜粋し、実情を見ていきましょう。

中学受験は本当に「必要な課金」か?

中学受験が敬遠される理由には様々なものがありますが、その一つが莫大な費用です。

小学生から通う塾の費用、中高一貫の私立校に納める学費、大学受験用の予備校費用を含めると、大学合格までにかかる教育費用は非常に大きな額になります。

いくら子供のための教育費は大切といっても、そのために両親が身を粉にして働いた結果、家庭の時間が失われてしまうなど、健全な家庭環境で過ごせなければ本末転倒です。特に東京などの大都市圏では教育費の高騰が続いていますが、風潮に流されず「本当に必要な課金なのか?」と一度立ち止まって考える必要があります。

中学受験の相場は約300万円(塾費用+受験料+その他費用)

そもそも中学受験をして私立の中高一貫校に進んだ場合の費用はどのくらいかかるのでしょうか。

まず中学受験対策ですが、小学3年生の2月~小学4年生の間に対策を始めるのが一般的です。もちろん小学校低学年から塾に通わせる場合や、少し遅れて小学5~6年生から対策を始める場合もあると思いますが、ここでは小学4~6年生の3年間を中学受験対策に充てると考えてみます。

中学受験対策の塾や個別指導は、小学4→5→6年と受験が近づくにつれて授業料が高くなるのが一般的です。

最もメジャーな中学受験対策の集団塾に通った場合、

・小学4年時 50~60万円

・小学5年時 70~80万円

・小学6年時 90~120万円

ほどの授業料がかかってきます。

授業料には通常授業と季節講習を含んでいるので、講習をどれだけ取るかによっても異なってきますが、概算はこのくらいです。合計すると小学4~6年生の間に中学受験対策塾に通わせた場合の費用は、210~260万円ほどになります。

個別指導の場合は一コマあたりいくらという感じで、受講する授業数に応じて授業料が決まるところが多いです。

週に3~4回通い、季節講習も取ったとすると、かかってくる費用は大体、

・小学4年時 40~70万円

・小学5年時 40~70万円

・小学6年時 90~120万円

ほどとなります。

総額だと3年間で170万~260万円ほどです。個別指導は一コマあたりの単価で見ると低額な印象ですが、全て対策しようとしたり、季節講習も取っていったりすると、結局集団塾と同じくらいの費用がかかります。

あとは確実にかかる費用として、中学受験の受験料があります。大体1校3万円ほどで、5校受けたとすると15万円ほどが必要です。その他にも塾に通うまでの交通費や、自分で購入した参考書代なども含めると、小学4~6年生までの対策と、受験費用で合計300万円くらいかかるのが相場のようです。

もちろんお子さんが2人、3人と増えれば、かかる費用は2倍、3倍に増えていきます。経済的に余裕のあるご家庭なら問題ないでしょうが、こうした出費が家計を逼迫(ひっぱく)し、ヒーヒー言いながら一度始めてしまった物語を止められないご家庭も少なくありません。そうした一般家庭の皆さんは、「これは本当に生活を切り詰めてまでする価値のあることなのか?」と胸に手を当てて考えてみてください。

入学後も出費は続く…高校卒業までの総課金額は約1000万円

1人あたり300万円ほどの課金をして、無事に希望する中学校に合格できたとして、課金は終わりではありません。中高一貫校は基本的に私立校であり、通うには学費が必要です。

私立の中高一貫校に入った場合、まず入学金がかかります。おおよそ30万円前後のところが多いです。

続いて授業料ですが、年間で50万円前後かかってきます(高校授業料無償化の対象地域であれば、高校3年間の約150万円がかからなくなります)。さらに私立校の場合、設備費用や学校納入金、寄付金といったその他の費用も大きいです。その他費用も年間で50万円前後のところが多いです。

合計すると入学金を除いても年間で100万円ほどを学校に納める必要があり、中高6年間で600~700万円の学費が必要になります。

家から離れている場合は交通費もかかりますし、学校の授業についていけずに塾に通う場合や、難関大学を目指して進学塾を利用する場合、さらに追加の費用がかかってきます。

公立の中学・高校に進んだ場合、入学金や授業料、設備費といった学費はもちろんかかりません。入学時に必要な制服代などの入学準備金は10万円ほどで、給食費や修学旅行の積み立てにかかる費用も年間10~20万円程度です。入学金や制服代を除いても年間100万円前後かかる私立中高との差は一目瞭然です。

いやいや、公立の中高では進学のために塾に通う必要があり、私立の中高一貫では授業が充実していて塾に通う必要がないのだから、塾代まで含めたら中高一貫の方がコスパいいんじゃないの?という声もあるかもしれません。

しかし中高一貫校は授業スピードが速く内容が高度なため、授業だけではついていけずに塾への課金が必要になったり、大学受験を見据えたら結局大手の進学塾の対策が評判が良く、中高一貫校に通いながらそうした塾へ通ったりする事例が普通です。

文部科学省のデータによると私立中学生も50%は塾に通っています。小学校時代も含めれば、「ここまで課金したのだから失敗できない」というサンクコストの意識もはたらき、中高一貫校に課金しながら塾にも重課金してしまう親御さんがいるのでは、というのが私の見解です。

じゅそうけん(受験総合研究所)

じゅそうけん合同会社 代表、学歴研究家

受験総合研究所、略して「じゅそうけん」の名前で活動する学歴研究家。本名は伊藤滉一郎。早稲田大学を卒業後、大手金融機関に就職。その後、人生をかけて学歴と向き合うことを決意し退職。高学歴1000人以上への受験に関するインタビューや独自のリサーチで得た情報を、X(旧Twitter)やYouTube、Webメディアなどで発信している。著書に『中学受験 子どもの人生を本気で考えた受験校選び戦略』(KADOKAWA)、『中学受験はやめなさい 高校受験のすすめ』(実業之日本社)がある。

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