【アルファロメオ ジュリエッタ試乗】官能のDNAを継承。走りが楽しいハッチバック
&GP / 2017年10月2日 11時0分
【アルファロメオ ジュリエッタ試乗】官能のDNAを継承。走りが楽しいハッチバック
皆さんはイタリア車、中でもアルファロメオに対し、どんなイメージをお持ちでしょうか?
「おしゃれ」、「情熱的」、「楽しそう」と思われる方もいれば、「メンテナンスが大変そう…」と不安を抱かれる方もいるかもしれませんね。ちなみに最後のイメージに関していえば、筆者宅に居ついてる20年落ちのアルファロメオは、この10年間、ほぼ消耗品の交換だけで過ごせていますから、基本的に丈夫なクルマだと思います。
ともあれ、洋服にせよ、宝飾品にせよ、イタリア製品といえばデザインや感触にこだわったモノが多いのはご存知のとおり。アルファロメオもまた、美しいスタイルや個性的なインテリア、そして官能的な走りが魅力のブランドとして、古くから多くのクルマ好きを魅了してきました。
現在はというと、9月に日本へ上陸したばかりの最上級FRセダン「ジュリア」を筆頭に、コンパクトカーの「ミト」、2シータースポーツカーの「4C」、そして5ドアハッチバックの「ジュリエッタ」が日本へと導入されています。
中でも注目は、やはり最新モデルのジュリアですが、2009年にデビュー、2012年に日本に導入されたジュリエッタも、2017年春にマイナーチェンジを実施、その中身が気になるところです。今回はラインナップ中、最もホットなグレード「ベローチェ(VELOCE)」のステアリングを握ることができましたので、ジュリアの予習も兼ねて、その印象をレポートしたいと思います。
日本導入から早5年。街中で見掛けるアルファロメオも世代交代が進み、現在ではジュリエッタが主流になった気がします。ちょっとばかり目新しい話題に乏しかったアルファロメオですが、ジュリアの日本発売が正式に発表され、今後の勢力図の変化が気になるところ。でも、ちょっとくらい時間が経っていても、アルファロメオの魅力は少しも薄れないはず…とばかりに、マイナーチェンジを受けたジュリエッタのキーを受け取りました。
試乗車は、イタリア語で“速い”を意味するベローチェ。排気量1750(正確には1742)ccのDOHCエンジンやら、ジュリエッタやベローチェというネーミングやら、往年のアルファロメオ・ファンからすると、その響きだけでも心をつかまれるのではないでしょうか。そんな演出にニヤリとしながら、まずはクルマを遠くに近くに眺めます。
先のマイナーチェンジは、グレード展開の見直しのほか、エクステリアとインテリアの意匠変更が主なメニュー。エクステリアでは、フロントグリルが横バーからハニカム形状になり、“GIULIETTA”エンブレムの書体が変わりました。一方のインテリアは、メーターパネルの文字やエアコンなどのイルミネーションといったディテールが変更されています。
一方、メカニズムに関しては、基本的にキャリーオーバー。ベローチェは従来モデル「クアドリフォリオ ヴェルデ」のそれを踏襲しています。つまり、最高出力240馬力、最大トルク34.7kg-mを発生する1742cc直4ターボ、2ペダル式の6速デュアルクラッチトランスミッション“アルファTCT”、そして“ALFA D.N.A.”と呼ばれるドライブモード切り換えシステムも受け継いでいます。
と、予習を済ませてドライバーズシートに収まります。レザーの手触りはソフト、そして表面に近い部分のクッションも柔らかいタッチですが、ストロークがありつつ芯はしっかり、というタイプでしょうか。座り心地は好みもあるとは思いますが、サポート性は良好ですし、儚(はかな)げだけど“ちょっと”ぜいたくな感触は、新車で手に入れた方の特権かもしれません。
エンジンを始動すると、アイドリングでも「そうそう、この感じ!」というアルファロメオらしいサウンドが響きます。かつてのアルファV6のように高音で謳うタイプではありませんが、アイドリングから低速までは「ルルル…」という粒のある音、そこからアクセルペダルを大きく踏み込むと「グォ」と吠えるかのように音の粒がそろっていくのです。
かつて、1980年代から2000年頃まで搭載された、出自の異なるいくつかの4気筒エンジンも、アルファロメオの手にかかると「イイ感触だな」、「イイ音だな」と感じさせてくれる絶妙のセッティングでしたが、いかんせん、いずれも「あともう少しパワーもあればなぁ」と感じることがありました。しかし、ジュリエッタ ベローチェはというと、街中はもちろん、起伏のあるワインディングや高速道路でも、そんな歯がゆい思いを抱くことはありませんでした。
そして、車両のダイナミックパフォーマンスを切り替えるALFA D.N.A.は「ダイナミック」、「ナチュラル」、「オールウェザー」の3モードが設定されており、モードに応じてエンジンの出力特性やレスポンス、アルファTCTの変速ロジック、トラクションコントロール機能の塩梅までが変化します。
モードをダイナミックに切り替え、アップダウンのあるワインディングを走りましたが、その感触は全域でパワフル。現代のターボエンジンですから、蹴飛ばされるような“二段加速”こそありませんが、1.4トン強のボディに240馬力は十分過ぎるほど。抑揚に富んだサウンドを聞きながら、コーナーをひとつひとつクリアしていくのは、掛け値なしに楽しい! 作業であるのは間違いありません。
また、しなやかなサスペンションの動きやスムーズなステアリングの反応も、アルファロメらしい楽しさを感じさせる重要な要素のひとつ。街中で連続する右左折、舗装のうねった峠道でも、4本のタイヤはしっかりと路面をつかみ続けますし、ステアリングも切ったら切った分だけノーズがインに向きを変えます。不足なく、過剰でもない、こうした人の感覚に沿った走りの味つけこそが、アルファロメオの美点といえるでしょう。
個性的なスタイルやインテリアの仕立てといった趣味性、そして何より、ドライビングの楽しさという“官能性”を優先したジュリエッタ。「フツーのクルマでは満足できない!」人は、ぜひ一度、味わってみるべきモデルといえるでしょう。
<SPECIFICATIONS>
☆ベローチェ
ボディサイズ:L4350×W1800×H1460mm
車両重量:1440kg
駆動方式:FF
エンジン:1742cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:6速AT(デュアルクラッチ式)
最高出力:240馬力/5750回転
最大トルク:34.7kg-m/2000回転
価格:424万4400円
(文&写真/村田尚之)
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